【サマースクール報告】CSB(セントラル・スクール・オブ・バレエ)2023サマースクール~RA石川怜奈さんによるレポート-前編- サマースクールの様子

2023年7月~8月に行われた セントラル・スクール・オブ・バレエのサマースクールツアーを現地でお世話してくれたRA(Resident Assistant)の Renaさんが レポートを寄せてくださいましたので、ご紹介します。
読み応え十分の長編をどうぞ!


Central School of Ballet Summer School 2023

みなさんこんにちは。石川 怜奈(いしかわ れな)と申します。
私はあのゆるキャラで有名な熊本出身のダンサーです。
2020年にCentral School of Balletを卒業後
スペインとアメリカのバレエ団を経て研鑽を重ねております。

そしてもう1人、昨年のレポートその1 その2にもさらっと登場した Andréeさん。
彼はベルギー在住のダンサーでありながら音楽も作るなど、ショービズに精通しているプロデューサーです。

今回、Andréeと私はThe Wellsで7月23日 (日)〜8月7日(日)の2週間、
ロンドンのSouth Bankに位置するCentral School of Balletの
Summer Schoolに参加される生徒さんのサポートをさせて頂きました。

今回wellsサポートで参加された生徒さんは9名。
中学2年生から高校 2年生までの純粋なキラキラした世代。
今回引率させていただいた私自身、彼らからたくさんのパワーをもらいました。

CSBサマースクールの様子(前編)と休日のロンドン散策の様子(後編)

の2本立てでお届けします!

SNSの方では留学情報や講習会のご案内をはじめ、イギリスの生活風景や街並みも日々更新しておりますので是非ご覧ください。 
instagram: @thewelllsinc
facebook: The Wells - Dance and Education (ザ・ウェルズ)

-前編- サマースクールの様子

(Central School of Ballet / The Countess of Wessex Studios)

Central School of Ballet を少しご紹介。(以下CSB)

CSBは1982年にSir Christopher GableとAnn Stannardによりロンドン中心地Herball Hillに建てられ、
2022年に現在のParis Gardenに移転しました。

学校のプログラムは3年間。イギリス名門大学University of Kentと提携しており、
CSB卒業と同時に学士号(Bachlor of Arts in Dance and Performance)を取得できます。
踊るだけではなく、大学卒業ができダンスでdegreeを取れるのは将来にも大きくプラスになってきます。

1、2年では基礎知識を学び、3年ではBallet Centralというカンパニーを組みイギリス国内公演ツアーを行います。

有名振付家らを迎え、一緒に作品を作り上げていきます。
また踊るだけではなく舞台の設置、照明、衣装など舞台を作り上げるために必要不可欠なことを実践しながら学ぶことができるのが大きな特徴です。
カンパニーに就職する前にプロフェッショナルの経験をできるのは心身ともに準備ができますし、
これをやり切ったという大きな自信もつくことと思います。

新校舎はSouth Bankというロンドンアイや国会議事堂などがある観光名所のそばにあります。
交通の便も良く、地下鉄の駅は最寄りが Southwark、
ロンドンで最も忙しいと言われるWaterloo Station、
そしてバスも多く通っています。

学生アパートが隣接されており、CSB生だけでなく他の大学生も多く住んでいます。

今回の滞在先は旧校舎の目の前にある寮で通学は2階建のロンドンバスで約20分でした。
CSBの在校生も多く住んでいます。

Central School of Balletの学校ガイドならびに卒業生、在校生のインタビューはこちらから!

お待たせいたしました!それでは本題のサマースクールについてお話ししていきます。

CSBのサマースクールは11〜16歳対象で2週間行われます。
実際の学校のプログラムの擬似体験ができるようなコンセプトになっています。
学校の先生方や外部からのゲストの先生方 (Royal Balletの元プリンシパルなども来られます)から
バレエをはじめ、ポアントコンテンポラリー、ジャズ、コレオグラフィー、ピラティスを学びます。

生のピアノ演奏でクラスが受けられるのもバレエ学校ならではですね。
インターナショナルの生徒たちは1日の最後に英語のクラスもあります。

年齢ごとに色でグループが分けられており、サポート生はBlueとRedに分かれました。
7つのスタジオが2つの階に分かれており、同時進行で違うクラスがそれぞれのスタジオで行われています。

サマースクール最終日にはワークシェアリングがあり、
2週間で学んだクラスワークとレパートリーをシアタースタジオ(Gable Studio: 設立者の名前がついている客席のあるスタジオ)で親御さんやお友達を招いて発表します。
私も客席で鑑賞させていただきました。
一人一人が学んだことを丁寧にこなし
幸せそうに踊っていて終始感動しておりました。

1日の流れを写真とともにお届けします!

—8:50     寮を出発

すぐにスタジオに入れるよう身支度を済ませた状態で登校します。
寮から最寄りのFarringdon駅の前にあるバス停からバスに乗って学校までは約20分。
バスに乗る前にスーパーによってお昼ご飯を買っていきます。

通学風景

ロンドンの道路は広いですが車や自転車がバンバン飛ばしてきます。
道の真ん中で歩行者信号を待たなければいけないところも多いのでなるべくくっついて待ちます。

2階建てバスの中

2階建のロンドンバス。みんな迷うことなく毎回2階に座りました。

—9:30 学校到着

登校時・下校時にはチェックインを必ずします

レセプションに名簿がおいてあるので、
自分の名前のところに入校時間を記入(sign in)して校内に入ります。
帰る時も同様、下校時間を記入(sign out)して学校をあとにします。

写真は初日の様子。初日はガチコチに緊張していましたが、
日が経つにつれて緊張も和らいでいき、
朝からワクワク楽しく登校して、
レセプションの方たちに”Good morning!!” と元気よく挨拶して
私たちにも”行ってきまーす!”と手を振って行くようになりました。

—10:00〜18:45 サマーコース受講

1日のタイムテーブルの例

こちらが一日の時間割りになります。
グループで色分けがしてあり、
この週は2週間コースのRed and Blue、
1週間コースの Yellow and Greenがありました。
一番下の茶色のEFLはインターナショナルの生徒たちのための英語クラスです。

Balletクラスをはじめ、様々なクラスが組み込まれています。
女子のトウシューズに特化したPointe(ポアント)。
男子のジャンプに特化した Allegro(アレグロ)。
Repertoire(レパートリー)では作品の一部を習います。

最終日のワークシェアリングで発表する作品の振り移しやリハーサルをします。

Blueの女子は‘Sleeping Beauty’ (眠れる森の美女)の1幕より友人、
Redの女子は‘The Dream’ adapted from ‘A Midsummer Night’s Dream’ (真夏の夜の夢)より妖精、
Redの男子は ‘Glass Pieces’を踊りました。

またContemporary(コンテンポラリー)、
Jazz(ジャズ)、Spanish(スパニッシュ通称フラメンコ)、
想像力を膨らませ振り付けをつくるCreative Choreography(クリエイティブコレオグラフィー)、
体の体幹を作る基礎となるPilates(ピラティス)、
そして音楽性や表現力の解説のMusicality & Artistry Masterclass(ミュージカリティとアーティストリィ)と
ジャンル豊富なプログラムでした。

1日の最後にはEFL(英語のクラス)がありインターナショナル生が集まり
イギリス人の先生が日常会話のフレーズや文法、
ゲームなど楽しく教えてくださいます。

—18:45 下校

帰りは学校の近くにあるスーパーWaitroseか寮の近くにあるTescoで翌日の朝ごはんを買って帰ります。
Waitroseは高級スーパー、Tescoはお財布に優しいスーパーで売っているものも色々違います。
初めは日替わりで行っていましたが、
リクエストにお答えして週の真ん中あたりから両方によってそれぞれ必要なものを買いました。

また今日は頑張ったからご褒美!と美味しいものをゲットしたり…
(私が色々なものをチラつかせて誘惑と戦わせました…笑)

楽しくお買い物をしてバスで寮に戻ります。

—19:30 帰宅

—20:00 夕食

1週目は引率のAndréeと私で夕食を作って提供しました。
ダンサーの健康を考えたバランスの良い栄養が取れるメニューで
体の回復もでき健康に生活できたのではと思います。
(ウェルズ注:衛生管理を徹底して寮のキッチンで作っています)

RAスタッフ手作りの食事(1週目)

カッテージチーズサラダ

焼きサーモン レモンとパセリを添えてズッキーニパスタ

到着直後の食事は軽く体調を整えるものを中心に

ほうれん草とビーンズのサラダビーフ&ブロッコリー

豆腐照り焼き

ご飯(レトルトご飯がTescoにありました!)

食べられる量は個人で違うのでそれぞれが盛り付けます

寮の共有ラウンジ(common room)でビュッフェ形式。
思い思いに綺麗にお皿に盛り付けをして、
みんなで楽しくおしゃべりしながら夕食をいただきました。

2週目はそれぞれ自炊!少し心配していましたが、
材料も考えながら1週間で使い切れるように買って、
日本から持ってきたフリーズドライの食品なども上手に使いこなして料理を楽しんでいたようです。

こんな の作りました〜!と写真を見せてくれたりする生徒さんもいたりして感心しておりました。
丸一日踊って、慣れない環境での生活、そして自炊もして…
かなりハードだったと思いますが
実際に留学するとこのような毎日になるので
予行練習ができ学びも多かったのではないでしょうか。

21:00 サークル

週に2回ほど食後にみんなで顔を合わせてお話しする時間を設けました。

大好きな踊りづけの日々。
もちろん楽しい時も多いですがその分辛い時もあります。
メンタルヘルスの管理は身体の管理と同様、
それ以上に大切だということをAndréeも私も痛感し経験してきています
自分の心と身体に耳を傾けてあげる、
聞く耳を持ち周りにいる人を気にかけてあげることができてこそ、
1人の人間としてそしてダンサーとして、
心身共に健康に大きく成長していける
のではないかと考えます。

その訓練として、みんなで輪になり今日はどんなことがあってどんな気持ちだったのか
どんなことを感じたのかを共有しました。
もちろん人に自分のことを話すのが容易ではないのも当たり前。
それでもいいんです。

人にシェアができなくても自分の中で今日の自分を振り返ってあげる、
周りの話を聞いてあげて
こういうふうに思っている人もいるんだと気づけるだけでもいい。

共感できたら自分もそうなんだと
少しずつでも人と話せるきっかけができるだけでもいい。
自分のマイナスの限界に達する前にネガティブなことを外に出してあげる。

心にスペース を作ってあげることで、
考える余裕もあるから身体の健康にも気を遣えて、
周りの人にも気を配れる、
そんなふうにメンタルをコントロールできていけるのではないのかなと考えます。

最初は恥じらいもありましたがだんだん慣れてきて
みんなと話したい、
話せてスッキリした、自分だけじゃなくてホッとした
など殻から抜け出せたのも見受けられ
有意義な良い時間となりました。

また生徒さんとお話ししていてよく話題にでてきたのは
どのタイミングで留学するのが良いのかということでした。

留学するなら早い方がいいのか
日本の高校には行かずにバレエ学校に入れば卒業しても
まだ若いからあとのキャリアが長く続けられる、
ただもし踊るのをやめたときのことを考える
できることは限られてしまうのかな…
と考えている生徒さんが多かったです。

CSBはケント大学の学士取得と卒業ができるので、
中学を卒業できていれば高卒資格さえあとからとれば学歴は繋げることは可能。
でも高校に入って普通の学生生活も楽しみたい。

そんな意見も多かったです。
これが正解というのは正直ありません。

自分の将来を考えて不安になることも多くなる時期。
本人の考えと意思、各ご家庭の事情もありますので
しっかり話し合いが大切なのかなと思いました。

2週間お疲れ様!

最終日のワークシェアリングの後。一人一人修了証を授与されました。

前編、CSBサマースクールの様子をお届けしました。いかがだったでしょうか?

後編では休日のロンドン散策の様子をお届けします。
続けて読んでいただけると幸いです。
週末はロンドンでの市内観光でたくさんの場所に行ってきました。
イギリスの美味しいあれこれ、ロンドンの風景もたくさんありますのでご期待ください!


怜奈さんありがとうございます。
続きのアップをどうぞお楽しみに

参加者全員にサマースクールスカラシップ審査あり!東京・大阪二会場で開催です。

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