ガーディアンリーダーKazuyoさんからのレポートを引き続きご紹介します。
連日学校公演や卒業公演目白押しの、暑い熱いロンドンからの報告をどうぞ!
英国では、記録的な暑さが続いております!!
もともとは、冷房設備など、全く必要なかった英国。当時は、暑さのピークと言っても、扇風機を押し入れの奥から取り出して、2〜3回使っているうちに夏が終わり、また押し入れに扇風機をしまう・・・というような感じでした(実話です!)。
太陽の眩しい暑い夏など、存在しない国で、人々は太陽を求めてスペインやイタリアなど、南の国々へ旅行に出かけていたのでした。
そんな英国が、今では車のエアコン装備が当たり前になり、部屋にも冷房設備を取り付けるような、そんな時代になってきています。
ただ、ほとんどの家には、まだエアコンはありませんし、電車やバスなど、まだまだ温暖化対策できてない状況です。そんな、準備の整ってない英国ですが、サポート生のみんなは、水分をしっかり補給して、この時期を乗り越えて欲しいなと思っています。
さて、そんな状況のロンドン。
憧れのロイヤル・オペラ・ハウス内にあるLinbury Theatre / リンバリーシアターでは、6月中「Next Generation Festival 2025」という、英国内外の若いダンサーのさまざまなパフォーマンスが繰り広げられていました。


6月27日は、English National Ballet SchoolとRambert Schoolとが、今年はなんと、合同で公演をしました。主に最終学年である、3年生が出演する公演。
私はお昼の舞台を観に行ってまいりました!
やはり合同、ということで、両校の関係者や、それぞれの観客が観に来ていて、ホールにいる人の数も多いような気がしました。

本日のキャスト表。リンバリーシアターへ繋がる階段の手前にありました。
早速、ランベール校のサポート生、Ayaki Lai / 賴綾希さんの名前を確認。彼女が1年生の時からのお付き合いですが、今年で彼女は3年生、卒業目前です。
そして、イングリッシュ校のリストの中には、私の繋がりの3年生、Airi Osaki / 大崎愛織さんの名前がありました。彼女も、私がガーディアンを続けていく中で、活躍を見守ってきた生徒さんです。
今回、学校の違う2人の様子を、同じステージで観る、何とも興味深い機会です!(QRコードでキャスト表のデジタル版も手に入れました。)

本日の演目は全部で7作品。イングリッシュ校(ENBS)3作品と、ランベール校(Rambert)4作品が、交互に発表される構成でした。

- Etudes on a Theme of Satie(ENBS / Lynne Charles, Juan Eymar)
- The Inn Between(Rambert / Julian Nichols in collaboration with the dancers)
- The Hilkravrs(Rambert / Miguel Altunaga)
- Waltzes In Disorder(Rambert / Richard Alston)
- Aphiemi(ENBS / Lynne Charles)
- Lunar Tales(Rambert / Faye Stoeser)
- Ruff Celts(ENBS / Marguerite Donlon)
1作品目「Etudes on a Theme of Satie(ENBS)」には、大崎愛織(Ailay Osaki)さんがご出演でした。
エリック・サティのピアノ作品の生演奏に合わせ、バレエのレッスン風景が映し出されます。青いヘアバンド、青いダンスウェアのダンサー達の中に、愛織さんを発見!音に合わせて伸びやかに、強く、美しい動きを見せてくれました。レッスン生達の動き、綺麗に揃ってます。一方、中央のバーには1人の赤いダンスウェアのダンサー。その動きは、何か葛藤しているような、脱力しているような、そんな人間らしい動きに見えました。ダンサーたちの外から見た様子と、心の内側の様子を、様々なスタイルの踊りで対比させて表現しているのかな。。?と自分なりに理解しました。
その後も愛織さんは大活躍で、嬉しかったです。
3作品目「The Hilkravrs(Rambert)」には、賴綾希(Ayaki Lai)さんがご出演でした。
この作品は元ランベールのダンサーである、キューバ人のMiguel Altunagaの作品です。キューバ音楽に合わせてリズミカルに楽しく始まりますが、その後、舞台が水の底に沈んだような感じになり、心の内側を表すような力強いユニゾンが出てきます。綾希さんは、その深い水の中で激しく対決したり、リフトされたり。そんな様子が、少し離れた席からでも、よく見えました!
1年生の時からガーディアンとして、ショーの機会には足を運んできましたが、さすが最終学年で、感情の動きが踊りの中に滲み出るように現れ、動きも研ぎ澄まされていました。
他の作品も、それぞれの学校の特徴が出ていましたので、両校、交互に作品を出し合ったのは、観客に取ってみても面白かったのではないでしょうか。
Rambertは、いわゆるコンテンポラリースタイルの作品が多く、衣装がゆったりとしていて、ダンサー達は「男女」という役割の差は無く、寧ろそれぞれ「人間」。そんな印象でした。
「The Inn Between」の世界観、ランベールっぽくていいなと思いました。
ENBSの最後の作品「Ruff Celts」は、どちらかというとクラシックバレエに重心があるENBSにしては挑戦的な、エネルギーに満ち溢れた、新しい方向性を見出した作品でした。生徒たち、幅広いことを学んできたのですね。
7月のENBSのサマーショウでは、愛織さんがこの作品を踊るということなので、楽しみです!
以上、ガーディアン目線で思いつくまま、感想を書かせて頂きました。
とにかく、素晴らしい生徒さんたちを応援し続け、晴れの舞台を観に行くことができる、という幸せに、心から感謝しています!

Kazuyoさんありがとうございました。続くレポートも皆様どうぞお楽しみに!!
この季節は、かなりの頻度で各学校のショーや卒業公演に足を運んでくださるガーディアンさんたち。
最初から最後まで、そして卒業後まで応援をしてくださっている様子に感謝してもしきれません。
この記事を書いている最中にも、「〇〇ちゃん、シーズンが終わる直前に来期のコントラクトがもらえたようです!ほっとしました!」というガーディアンさんからの報告が飛び込んできました。卒業してほかの国で踊っていても繋がっているご縁に、気持ちがほっこりしています。