以前サマースクールに参加していた生徒さんに、
「バレエ学校卒業しても、イギリスで踊れる確率ってほぼゼロですよね?」
と聞かれたことがありました。
確かにバレエ団附属の学校でも、バレエ団に入団できる確率はかなり低いものです。
これまで日本人留学生が、実力はあるのにジュニアカンパニーさえ入団できなかった理由のひとつに「ダンサーの就労ビザ問題」がありました。
就労ビザのスポンサーになるためには、受け入れ先のカンパニーにかなりの財政的負担がかかります。
大きな資本基盤のあるカンパニー以外は、有名であってもなかなかそこに予算を投じてくれないというジレンマがありました。
2021年7月、この惨状を打破するような、素晴らしいシステムが発表されました。
その名はまさしく「Graduate Visa(卒業ビザ)」
卒業後、少なくとも2年間はイギリスで働く(収入を得る)ことができる査証です。
このビザを取得するには、いくつか条件がありますが、そのひとつは、「2021年以降にBAコース(大学士コース)を修了すること」
イギリスのバレエ/ダンス専門学校では、以下が該当します(その他、各大学の提供する舞踊コース)。
- セントラル・スクール・オブ・バレエ
- トリニティ・ラバン
- ロイヤル・コンセルバトワール・オブ・スコットランド
- ランベール・スクール・オブ・バレエ・アンド・コンテンポラリーダンス
- ロンドン・コンテンポラリーダンス・スクール(ザ・プレイス)
セントラル・スクール・オブ・バレエの今年の卒業生は既にこのビザを利用しています。
嬉しいのは、ビザを申請する際にオファーをもらっていなくても良いということ。
つまり、就活中でもビザを取得してイギリスに滞在を続けることができる、ということです!
※ Graduate Visaは現在イギリスに在住している人が対象です。
卒業後にご自身で申請・取得の手続きを行うことが必要で、海外からの申請は出来ません。
(2021年10月28日現在の情報)