「ロイヤル・コンセルバトワール・オブ・スコットランド特集」~オンラインプログラム第9回

11月28日、オンラインプログラム「英国バレエ留学~成功へのステップ~全10回」の第9回「ロイヤル・コンセルバトワール・オブ・スコットランド特集」が開催されました。

まずはイベント事務局が、当日の様子を振り返ります。

今回は、ロンドンからロイヤル・コンセルバトワール・オブ・スコットランド(以下、RCS)の広報を担当されている日本事務局の村上スータ恭子さんをお迎えし、学校の概要、就職、資格などについてお話しいただきました。

学校について

ロイヤル・コンセルバトワール・オブ・スコットランドは、1847年創立の英国内でも数少ないロイヤルの名前を許可された王立の芸術学院です。現在は、ドラマやミュージカル、大道具や照明など舞台芸術を支えるスタッフを養成するコースなどもある総合芸術大学になりました。舞踊学部については、2011年の教育助成金制度の大改革によって旧スコッティッシュ・オブ・バレエスクールがRCS校の舞踊学部として再出発をしたものです。

今回、村上さんには、Kerry Livingstone校長が学校の中を案内してくださっているビデオも用意いただきました。

ビデオの冒頭に出てくるRENFREW STREETと書いてある方の建物に基本的な学校の機能が入っています。歩いて10分ほどのところには、ウォレススタジオという大きいスタジオが4つあり、舞踊楽部の生徒だけで使えるようになっています。

RCSは大学なので、バレエ、コンテ、ジャズそれからボディコンディショニングなどの他に、タームごとにレポートの提出や、そのための論文指導などもあります。

舞踊学部は、少数精鋭がモットーで1学年20人、男女比は決まっておらず、そのうち、日本人は3名ないしは4名程度とのことでした。

就職について

外国人を受け入れ始めたのが5年前なのでそれ以降の話でいえば、就職率は100%。就職のためのサポートでは、どの学校でもやっていることですが、写真や履歴書、カンパニーと交渉などを行います。人数が少ない分、手厚いサポートができているようです。

また舞台経験としては、コロナ前は、今の時期に3年生には声がかかってスコティッシュ・バレエ団の「くるみ割り人形」の舞台への出演がありました。カンパニー付属の学校の生徒がその舞台に出演するのは英国内では当たり前のことで、RCSも同じです。

RCS自体の歴史は長いですが、日本人の方が入学できるようになってからはまだ日も浅いので、これから日本から留学した方たちが世界に飛び出していってくれると嬉しいと話していらっしゃいました。

グラスゴー大学と提携した基礎学位コースについて

英国の入国管理局のルールで、大学のコースの学生ビザは、IELTSという英語の試験で5.5という基準に達していないと発行されません。 IELTS 5.5という基準はなかなか難しいレベルなので、「バレエを一生懸命やっていたので英語はちょっと苦手」という人は、苦労されることと思います。

その救済措置としてRCSでは、グラスゴー大学に半日英語を習いに行って、午後は踊るというスタイルの「ファンデーションコース」に通えばIELTSの4.0から留学が可能になります。

毎日の生活が忙しくはなりますが、グラスゴー大学で英語を学びながら、バレエの進むスピードは変わらないようにアレンジがされています。半日英語学習に取られるので、1年生で躍る時間は思ったほど朝から晩までではありませんが、ファンデーションコース在席中に、 IELTS 5.5を達成したらすぐ全部ダンスに切り替えていいというルールになっているそうです。

スコットランドのグラスゴー大学はイギリスの名門大学で、このファンデーションコースで取った資格はイギリス国内だけでなく、いろいろなところで英語力の証明としても役に立ちます。ただ、大学生として論文を書けるという前提の試験なので、準備は早めに始めて下さいとのことでした。

卒業生より

次に、この夏にRCSを卒業され、8月からスコティッシュ・バレエに入団された卒業生、鷹田麗(たかだ うらら)さんにもお話を伺いました。(以下、敬称略)

卒業生インタビュー

村上:まずRCSに入った経緯を教えてくださいますか?

鷹田:私は、それまで欧州の他のバレエ学校に行っていたのですが、コンテンポラリーが中心のカリキュラムに変わってしまったので、コンテとクラシックバレエをバランスよく学べる学校に行きたいと考えてオーディションを受けました。

村上:RCSに入って今までと違うなと思うところはありましたか?

鷹田:先生方のレッスンが、一人一人に熱心に向き合って、すごく丁寧に教えていらっしゃったことです。私も、今までバレエを続けてきて、気づかないうちについていた癖などを直していただいて、バレエの基礎の大切さをあらためて学ぶことができ、とても良かったと思っています。

村上:他の学校に比べてRCSはクラスの人数が少ないので、細かなところにも目が行き届くからだと思います。学校の設備やピアニストなど、学習環境についてはどう思いましたか?

鷹田:すごく大きくて綺麗なスタジオが4つもあって、本校の素敵な劇場でパフォーマンもできますし、バレエをするには最適な設備が整っていると思います。

最後に、日本でこれから外国に出て勉強しようと思っている人たちに、何かアドバイスがあればお願いします。

鷹田:まず、私はこの留学ができたことにとても感謝していますし、とても幸せだったと思っています。学校選びや将来どういうカンパニーに行きたいか、どうなりたいかによって変わってきますが、海外に出るということは、一人で暮らしたり、自分で体調管理をしたり、英語やバレエ以外でも大変なことがたくさんあると思います。でも、その時できることを努力し続けたら、いつかその努力が実る時が来ると思うので頑張ってください。

村上:ありがとうございました。

オーディションについて

2022年、来年9月に入学するためのオンラインオーディションを、1月22日,23日の週末のどちらか1日で行われる予定です。

The Wells主催の英国スタイルバレエ講習会でも2日目12月29日にRCSの先生が直接スコットランドからオンラインで、本校入学並びにサマースクール参加の審査をしてくださる予定です。残席わずかです。お申込みはお早目にどうぞ。

この内容はThe Wells オンラインプログラム第9回です

この記事の内容はアーカイブ動画でご覧いただくことができます。

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