「英国バレエ・ブラック現役ダンサーが語る:英国バレエ留学と就職活動」~オンラインプログラム第7回

10月24日、オンラインプログラム 英国バレエ留学~成功へのステップ~全10回」の第7回「英国バレエ・ブラック現役ダンサーが語る:英国バレエ留学と就職活動」が開催されました。

まずはイベント事務局が、当日の様子を振り返ります。

今回は、ロンドンを拠点にバレエ・ブラックで活躍されている市川 爽さんに、バレエ学校卒業後、バレエカンパニーに入団するまでを中心にお話をいただきました。現在、イギリスで留学中の3年生たちにも参加してもらい、これから就活を始めようとしている方、バレエ留学を目指す方、海外のカンパニーへ入団を目指す方にとって、とても参考になる内容だったと思います。

まず、市川さんには在学中の就職活動について伺いました。

「日本でランバートのオーディションを受けて17歳の時に初めてイギリスにきました。留学生活はとにかくバレエ漬けの毎日で、一つ上の学年の人と交流があったので、2年生ぐらいから3年生の作品に出させてもらったりすることで、気づかないうちに就職活動をしていました。でも、カンパニーへの就職は卒業前には決まらず、本当に苦労しました」

その後、数々のプロジェクトや短いツアーカンパニーなどを経て市川さんに訪れたチャンスは運命とも執念ともいえます。

「2011年に、たまたまバレエ・ブラックがオープンクラスをオペラハウスで毎週日曜にやっていることを知り、これはチャンスだと思って通いつめました。

私がずっとオープンクラスに顔を出してバレエ・ブラックに興味があるということはディレクターも知ってくれていたので、バレエ・ブラックのダンサーが一人辞めたときに声をかけてくれてオーディションを受け、今に至ります」

「私の就職活動は、基本的にオープンクラスに足を運んで、そこにきているダンサーから次どういうオーディションを受けるとか、ここで踊ってこういう経験をしたとか、とにかく情報交換をして、自分をアップデートしていった感じです。たぶんそういう情報交換は今でもあるんだと思います。」

2011年頃には、すでにSNSなどで情報を得る方法もあったはずですが、市川さんは、いろいろな人と直接交流することで情報を得たり、自分を刺激することを大切にしていたのですね。

「就職活動において大切なのは、何より精神的な強さが一番大事だと思います。

私自身、一番苦労したのがオーディションでいいところまでいくけど、それが結果に繋がらないのが一番辛かった。常に自分の踊りを否定されているように感じてきてしまうんですね。だからこそ、自分を信じる力、精神の強さがとても大切になってきます。

あと、あるオーディションに合格しなかったときに『それは、そのカンパニーが探しているものと君の踊りがマッチしなかっただけなんだよ』って言われたことがあって、 『 そうか単にそれだけのことか』って思えるようになれたのは大きいですね」

実際にいろいろな経験をして、自分でチャンスを掴んで来られたからこその言葉です。

また、当日はイギリスへバレエ留学中の3年生にも参加。市川さんから実際にアドバイスいただきました。
一部を例にあげてみます。

オーディションする際に最も重視する点はどこでしょうか?

A:その時カンパニーがどういうダンサーを探しているかによって変わってきます。

カンパニーと監督のビジョンに、皆さんの踊り、正確さ、スタイルなどがマッチするかどうかが一番大事だと思います。あとは、働けるビザを持っていることも大事ですね。ビザを持っていないと見てくれないこともあります。
セントラル・スクール・オブ・バレエは、Graduate Visaが2年間出るようになったので、チャンスも広がりますね。

(セントラル・スクール・オブ・バレエ3年生 雨宮一生さん)

オーディションビデオでは、記載されている必要事項以外に、自分の得意なものを入れてもいいのでしょうか?

オーディションビデオは、決められた時間内で短ければ短い方がいいですね。審査する側は、何百件も来る応募ビデオを見るので、言われたことをきちんとできる人が呼ばれます。長いのはいけません。

CVも一枚に収めたり、ビデオも決められた分数で抑えて、どれだけ早いところで「お、この子いいね」って思わせられるかが、ビデオ作りのポイントです。

(セントラル・スクール・オブ・バレエ3年生 大田スミナ さん)

緊張して、いつもはできていることができなくなってしまうことがあります。そういう時に気をつけていたことや心がけていたことなどあったら教えていただきたいです。

それは舞台に出るのと一緒です。

ダンサーは、舞台に立てば一人きり。私はできると自分で自分に言い聞かせることです。もしできなかったら、落ち込むんじゃなくて、できなかったところを練習すればいい。そうすると「あの子、あれできるじゃん」と目に留まることもあります。自分で自分をどんどん見せていくような練習もした方がいいと思います。目立つことは大事です。

(エルムハースト・バレエ・スクール 3年生 上田咲月さん )

最後に、市川さんからメッセージをいただきました。

「自分がやりたいことはこれだっていう強い意志があれば、誰かが見てくれていて(いずれチャンスが来る)というのは絶対あると思うんです。ですから、それを信じて、どんどん突き進んでいただきたいと思います」

現在プロのダンサーとして活躍する市川さんが、いろいろな壁を乗り越えてこられた歩みがよくわかる回でした。

この内容はThe Wells オンラインプログラム第7回です

この記事の内容はアーカイブ動画でご覧いただくことができます。

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