英国バレエ留学サポート/日本講習会・オーディション

「コンクール=留学」の時代はもう終わりにしませんか? ~海外留学を考えているダンサーの卵たちへ~

近年「コンクールに出れば留学できる」
「コンクール出場の目的は留学スカラシップ」という考え方が
まるで当たり前のように広がっています。
けれど、本当にそうでしょうか。
私たちはずっと伝え続けています。
コンクール=留学ではありません。

留学を実現するための本来の道は、学校の入学オーディションを受けること
コンクールはあくまで舞台経験や挑戦の場であり、
進学や将来を保証する場ではないはずです。


学校の「レベル」を聞く前に、自分を見つめる

よく「この学校のレベルはどうですか?」という質問を受けます。
でも、その前に考えるべきは、
「自分はオーディションに合格する実力があるだろうか」
「自分がその環境でどれだけ成長できるだろうか」です。

バレエ団を目指すダンサーは、50を超える団体にCV(履歴書)を送り
何度もオーディションに挑戦します。
日本の高校や大学進学でも、複数校を受験するのが普通です。
バレエ学校も同じ。
オープンキャンパスに行って学校研究をして比較して志望校を決めて
実際に受験をして 自分に合う場所を探す。
それが真の「留学準備」です。


コンクールの現場で感じる“違和感”

近年、いくつかのコンクールでは「いつも同じ顔ぶれが受賞している」と感じる声を耳にします。
もちろん、才能と努力の結果であることも多いでしょう。
ただ一方で、講習会を同時開催する形式のコンクールも増え
その在り方には少し考える余地があるように思います。

自国では20人ほどの少人数クラスを丁寧に教えている教師が
50人~100人の大人数を相手に講習を行いながら
尚且つ公平に審査する――
これは非常に難しいことです。
教えながら審査する構造そのものに、
“完全な公平さ”を保つのは不可能ではないでしょうか。

表向き、講習会では審査はしていないでしょう。
それでも多くのダンサーは、少しでも教師(=審査員)の目に留まりたい、と考えるのは、ごく自然なことです。

一方で、正式な学校オーディションでは
教師たちが20項目を超える評価表をもとに
一人ひとりを客観的に採点していきます。
そのプロセスこそが、本来あるべき「審査の透明性」だと感じます。


スカラシップ=理想の学校、とは限らない

コンクールを通じて短期留学や入学オファーを得る生徒も多いですが
それが必ずしも“目標にすべき学校”とは限りません。
「スカラシップをもらったから行く」という決断の前に
その学校の教育方針や経営状態、卒業後の進路を調べることが大切です。

留学は、憧れだけで決めていいものではありません。
人生を大きく左右する選択だからこそ、
本当に自分に合う環境を、自分の目で選ぶことが必要です。


コンクールに出る理由を、もう一度考えてみよう

私たちはコンクールそのものを否定しているわけではありません。
ただ、「留学のために」と目的をすり替えた参加には疑問があります。

もし出場の理由が
「綺麗な衣装を着て、ステージで憧れのソロを踊ってみたい」
というものであれば、大賛成です!
舞台で輝くその経験は、間違いなく成長につながるでしょう。

けれど、
「○○ちゃんが出るから」「先生に認めてほしいから」「スタジオの雰囲気で断れない」
といった理由なら、実は本人が一番つらい思いをすることは、多くの保護者が薄々気付いていることではないでしょうか。


留学を望むなら、正しい扉を叩こう

今、多くの海外バレエ学校が日本で入学オーディションを開催しています。
サマースクールも、願書やビデオ審査で参加可能です。

つまり、コンクールを経なくても留学の道は開かれているのです。
本気で留学を目指すなら、オーディションで正面から挑戦する方がずっと健全で、確実です。
情報を得ようとすれば、それこそあちこちにあるのです。(例えばThe Wellsのページとか!)


コンクールの練習よりも、大切なこと

コンクール用のソロを何度も繰り返すよりも、
地道に基礎トレーニングを続け
身体づくりに時間を使うこと。
夜はしっかり寝て身長を伸ばし
学校の勉強にも力を入れること。

それらは、遠回りのようでいて、
将来のあなたを確実に支える力になります。


最後に――「留学」はゴールではなく、スタート

留学はゴールではありません。
むしろ、人生の次の章をどう生きるかを決めるための大切な選択です。

だからこそ、誰かに言われたからではなく
流行に流されるのでもなく
自分自身の目標と向き合い
最も納得できる形でその扉を開いてほしい。

その一歩が、あなたの未来を変えるはずです。