セントラル・スクール・オブ・バレエを今年7月に卒業し 9月よりスペインでBallet de Barcelonaの研修生生活をスタートさせた石川怜奈さんからのレポートを2回に分けてお届けします
前編は、今石川さんが生活しているスペインの今をご紹介。【卒業生レポート】スペイン・バルセロナより(石川怜奈さんCSB2020卒業)
後編は、就職活動と今の生活のご紹介。 ←今回はこちら
このような状況でも、チャンスを逃さず次に繋いでいくメンタルの強さ、物事の明るい方を見続けられることは才能のひとつ。
怜奈さんの同級生たちもカンパニーからオファーをもらっているものの、この状況下でVISAが出ずに渡航ができなかったりしている現状があります。
Ballet de Barcelonaには現在 森川礼央さん(エルムハースト・バレエ・スクール卒)小暮秋音さん、梯幹矢さん、石井杏奈さんなどの日本人ダンサーも所属していらっしゃるそうです。
~後編~
就活を本格的に始めることができたのは 4 月ごろで遅かったほうです。COVID-19 の影響で、もちろん現地に行ってのライブオーディションを受けることはできず、全て書類(履歴書、写真、ビデオ)などのメールのやり取りだけでした。書類だけではどうしても伝わりにくい個性や自分の意思などを表現するのと、現地に行ってカンパニーの雰囲気を見ることもできなかったのでかなりチャレンジなオーディション活動になりました。また新規の受付をやめたカンパニーも多かったので、例年より一層難しかったのが事実です。ですが、ライブオーディションに行くための交通費や滞在費を考える必要もなく、たくさんのカンパニーに応募できました。またじっくりカンパニーリサーチをする時間が取れたのもこのご時世ならではだと思います。
個人的にロンドンで 3 年間トレーニングをしていく中でヨーロッパで踊っていたいという気持ちが強く芽生えたこともあり、ヨーロッパのカンパニーを中心に就活しました。友人のお姉さんが Ballet de Barcelona に所属されていて、以前お話を伺っていたことがあったので応募し、カンパニーから温かいお返事をいただきました。出逢いに本当に感謝しています。
私は今、長期学生ビザでスペインに来ています。ビザの申請と受け取りは東京にあるスペイン大使館でのみしかできないので熊本県民としては一旅…(笑)申請準備等も含めてかなり大変でしたがスムーズに手続きが進み本当によかったです。スペインに着いて現地で更にビザの延長手続きが必要になります。今はその手続きをする予約が取れずに苦労しています。ビザはどこに行っても大変ですね…
バレエ団では、朝からバレエのクラス、コンテンポラリーやPBT(Progressing Ballet Technique)、午後からはリハーサルがあります。今は11月から始まる、くるみ割り人形のリハーサルをしています。ここまで通常通りに運営 できているバレエ団はこの時期数少ないと思うのでとてもありがたいです。芸術監督の方は世界で大活躍された方でいろいろなスタイル(アメリカのバランシンスタイル、イギリスのロイヤルスタイル、ロシアンスタイルなど)を学ばれてきているので普段のレッスンやリハーサルで彼から学ぶことが本当にたくさんあります。団員さんたちとご一緒させてもらう機会も多いので毎日刺激があって勉強になっています。
学校とは全く違う雰囲気ですが、professional の意識が高まりまた私を大きく成長させてくれるような素敵な場所です。
たくさんの方々に支えられ、毎日自分の大好きなバレエができていることに感謝の気持ちでいっぱいです。
みなさんいかがでしたか?少しでもスペインのことを知ってもらえたり興味を持っていただけたなら幸いです!!
まだまだ世界中で不安定な状況が続きますが、前向きに身体に気をつけてお過ごしください。
Gracias!
怜奈さん、忙しい中のレポートをありがとうございました。
ダンサーを職業に選ぶことは、この昨今の状況下でますます厳しいものになっていますが、それでも踊っていたいという気持ち、実現させるためのエネルギーやあふれる想い。
ステージから、そんな情熱が届くときに観客は感動やパワーをもらえるのだと思います。
今後も卒業生その後のレポートを世界各地からお届けしていく予定です。
ダンサーの道を選ぶことも、全く違う職業を選ぶことも、卒業後の進路は卒業生の数だけありますが、ウェルズは皆さんをずっと応援しています!