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【留学生レポート】イングリッシュ・ナショナル・バレエ・スクール

こんにちは、イングリッシュナショナルバレエスクール1年生の石川倫です。
前回のレポートでお知らせしましたが、コロナウィルスの影響で日本に一時帰国中です。
今まで経験した事の無かったオンライントレイニングで行われた3学期の様子を皆さんにお知らせしたいと思います。

・新しい環境で…
3学期が始まったのは4月の月末。まずは新しい環境に慣れる事でした。
自分の寝室・リビングなどをスタジオとして利用し、オンラインクラスに慣れるのは少し時間がかかるだけでなく、カメラやインターネット環境、家族もオンライン授業や仕事をしているなかで、優先順位を決めるのにすら苦戦していました。
今後この生活様式が僕たちの新しい普通(ニューノーマル)になると想定し、新たにリノリウムや三脚なども用意しました。

学校からは現地イギリスと時差のあるなか僕たちの身体に負担がかからない時間帯に対応したスケジュールが届きました。学校は月曜日から土曜日までで、バレエはほぼ毎日、アカデミックや他のクラスは週1回か2回、他にもトレーニング、ピラティス、コンテンポラリー、先生と生徒が集まるアッセンブリーは2週間に1度行われました。

イングリッシュの生徒は世界中に居いますので、学校はタイムゾーンを2つ、多い時は3つに分けクラスを進めていました。先生方はこちらの時間に合わせ早朝から、または授業によっては1日に何度も開かなければならず、本当に大変だったと想像できます。

学校のスケジュールはメールで届くのですが、グループの数も多く、僕は間違えの無い様にカレンダー表にクラスを色分けし、リマインダーと共に携帯とパソコンに入れておきました。

これは1ヶ月ほどのスケジュール表です。
5週目の休暇はハーフターム!

・モチベーションを保つための取り組み
大きな環境の変化、学校にいつ戻れるのか、先が不安など色んな気持ちも含め、たまにかなり気持ちがブルーになってしまう時期もありました。バレエはものすごく好きですが、ある日突然のようにやる気が出なくなったり、やりたい気持ちはあるのに、手が伸びない、伸ばした手がそこで止まってしまう。この様な事は友達同士でも話しましたが少なくはありませんでした。

この数ヶ月で学校は何回も世界中のダンサー達が同じ状況にいるので1人では無い、1つの大きいコミュニティーだというメッセージを強調し、様々なプロジェクトや著名なダンサー達をアッセンブリーにゲストスピーカーとして呼び、直接話せる機会を作ってくださいました。

初めはエルムハストバレエスクールとイングリッシュの生徒で自宅で踊っているテーマで各自動画を撮影し、イギリスで有名なカンパニーでもあるBalletBoyzが編集を担当し、4月の中旬に各学校のSNSに掲載されました。

他にも印象に残っているインタビューはイングリッシュ・ナショナル・バレエの“ジゼル“でも有名な振付家、アクラム・カーンです。彼の作品を初めて観た時は、ものすごい衝撃を受けました。1時間半もの間のインタビューでは、彼の頭の中を深く深くのぞいているような不思議な気持ちになりました。その時間は僕にとってとても興味深く、心にずっしりと響く貴重な経験をさせていただきました。改めて彼の作品を見直しましたが、彼の考え方や深みは作品に写し描かれているなと何度も感じました。

・学年末へのプロジェクト
5月から始まったのはイギリスの学年末でもある7月に行われた”Virtual Summer Performance”の為のゲストコレオグラフィー。今回1年生は振付家のアナベル・ロペス・オチョアに振付をして頂きました。

彼女は4年前、イングリッシュ・ナショナル・バレエの”Broken Wings”(壊れた翼)を作った有名な振付家です。今回教わった作品は彼女が2011年に完成させた”Momorias del Dorado”からインスピレーションを受け、バーチャルで再構成された作品を作り上げました。アナベル先生とは1時間のリハーサルが週1回。オリジナルの作品を完全に再現する訳ではないので、リハーサルの過程でバーチャルのレッスンではどうしても分かりにくい部分が出てきます。言葉こそ通じるものの、少ないリハーサルのなかで彼女がどういう世界観を求めているのかを理解し
なければいけないのです。自分でもやや苦戦して来ましたし、友人のそのような様子も見てきました。

今回の作品は日本家屋と着物を着た僕の姿から始まるのですが、僕が演じた役は元々決まっていた訳では無く、アナベル先生とリハーサルを重ねて行くなかで生まれてきた役です。先生は日本文化に知識や理解があったので、和室・着物・禅などのワードをヒントとして与えられました。慌てて場所や衣装を探してなんとか撮影するのですが、普段の踊りではなかなか経験しない部分で苦労すると共に、普段学校や見学にいったカンパニーでも舞台や衣装を担当してくださる方々がどれほど大変な作業をしているのかを思い知りました。

約8週間のリハーサルを終え完成された”Momorias del Dorado”あまり踊りがある作品ではありませんが、とても美しい作品です。サマーパフォーマンスの公開時期は終わってしまいましたがYouTubeでショートバージョンが見れるのでリンクを貼っておきます。
https://youtu.be/Byzc_s_vtPU
是非ご覧ください。

・コレオグラフィー・ビデオ・プロジェクト
5月の終わりに振付のビアー先生から、イングリッシュの全生徒を対象にコレオグラフィー・ビデオ・プロジェクトを行うと発表がありました。
全世界的なコロナ禍の中、限られた環境の中ではあるものの、自由な振付作品、映像作品を作り、学年を越えて競い合うと言うものでした。

先生の課題とした創作に関しての注意点は以下の4つです。
・自分の振付けたソロであること
・ソーシャルディスタンスに気をつけること
・時間制限なし
・プロジェクトをフィルムワークにしたければシネマ風にしても良い

創作にあたっては、あまりに自由な発想のなかで自分で1から作り上げる経験も無かったので、本当に悩み苦しみました。1人で撮影しなくてはならず、場所探しや、どうやって撮影するかなど苦労しました。結果、携帯を自転車にテープで貼り付けて三脚代わりにしたのですが、途中でテープが剥がれて携帯が落ちるのではないかとヒヤヒヤしました。

ちなみに結果は…ファイナリストとして入賞することができました。
イングリッシュのSNS、ホームページに僕の作品が掲載されていますのでどうか皆さんご覧ください。(こちらもあまり踊ってはいませんが、チャンスがあれば次回はもう少し踊る作品も作ってみたいです)

作品の感想は観てくださった方に本当はお任せしたいのですが、コロナウィルスで皆が自粛しなければいけないなかで、苦しみのなかでも力強く生きていることを表現しました。
作品のリンクは
https://vimeo.com/444901427?ref=em-share
です!
是非ご覧になって下さい。

・サマーインセンティブ2020
The Wells主催の、佐久間奈緒さん、厚地康雄さんを迎えて行われるサマーインセンティブに参加させていただきました。詳細はウェルズのブログで書いてあると思いますが、講習の期間中はスタジオの中は安全に十分配慮されたなか、参加させていただきました。

お2人のレッスンはイギリスのスタイルを丁寧に教えて下さり、立ち方や歩き方、そのバリエーションに合った動きや自分が役に対してどう考え何をやるべきかなのかを丁寧に教えていただきました。イギリスへ戻ったら徐々に本格的なレッスンへ戻って行くと思います。この貴重な経験を早速生かして行きたいです。

・The Wellsサポート生の先輩
先輩である関剛多君がご卒業されました。剛多君は既にプロとしての一歩を歩み始めています。
優しくてとても頼りになる先輩でした。剛多君にとってイングリッシュ・ナショナル・バレエ・スクール最後の作品がとても素晴らしい作品なので是非ご覧になって下さい。

リンクはこちらです。
https://youtu.be/p0pHBoxYZr8

今学期は正直皆さんにお届けできるレポートの内容が少なくすぎて困ってしまうと思っていたのですが、終わってみるとこんなにもたくさんお知らせすることがあって正直驚いています。
これもイングリッシュ・ナショナル・バレエ・スクールがたくさんの機会を与えてくれたこと、そしてThe Wellsの皆さんのご協力があってのことだと感謝しています、ありがとうございます。

石川倫
(2020年8月12日)

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