プロのダンサーを目指す学生の中で、ある一定の割合で発症する踵の「三角骨」。
普通の生活をする上では、全く問題にならず、それがある事にさえ気付かないほどの小さな骨が、
つま先で立つというバレエ独特の動きの妨げとなり、多くの場合、つま先を伸ばす度に激しい痛みを伴います。
今回は、その「三角骨」を除去する手術を経験したセントラル生からのレポートです。
【手術を決断できた理由】
Central School of Balletの怪我や手術後のサポートはとても素晴らしいです。
2年生のAutumn term(日本で言う1学期)の始めに足の痛みが出てきたため、フィジオ(学校専属のフィジオセラピスト=理学療法士)に相談し、
MRIを撮ったところ、三角骨が原因ということが分かりました。
このままにしておくと、痛みでつま先が伸ばせなくなるため、クラシックのバレエダンサーになるのは難しいと言われました…。
バレエの先生方からは
痛いままレッスンを続けるよりも、
早く手術をして、
クリスマス休暇もリハビリの時間に使い、
Spring term(2学期)にあるアセスメント(試験)に間に合うようにするのが良いのではないかと提案していただきました。
その後、すぐに私を含めて、
フィジオ、芸術監督、アカデミック、学務課のスタッフの方々とミーティングを開いてくださったので、
私が不安に思っていたアセスメントやアテンダンス(出席日数)のことも質問することができ、
安心して手術を受けることを決断できました。
【日本へ一時帰国】
私は日本での手術を希望したため、
10月の終わりごろに日本に帰国し、手術を受け、
1ヶ月後にイギリスに戻りました。
今考えると、本当にこのタイミングで手術を受けてよかったと思っているので、
先生方に心から感謝しています。
日本にいる間も、
学校はもちろん、
ウェルズさんとも連絡を取り合っていたため、
安心して学校に戻ることができました。
【リハビリの開始】
学校に戻ってからも先生方がしっかりと理解をして、話を聞いてくださるだけではなく、
Support through studyというミーティングでゆっくりと話が出来たり、
フィジオ、ピラティスの先生方は、
素早くリカバリーできるように親身になって、
一緒に頑張ってくださったりしました。
私の場合、フィジオとは毎週月曜日に面談し、
前の週の足の調子はどうだったか、
この週に何をするかの予定を立てていました。
そうすることで、自分が何をしたら良いのか、
どの程度のことなら痛みが多少あっても行って大丈夫なのか分かり、
安心してクラスやトレーニングを続けることができました。
もちろんプランを立てるだけではなく、
足の調子も見てくださったり、
マッサージをしてくださったりします。
【温かいサポートに囲まれて】
私は出来ないクラス全てを見学することはせず、
ピラティスをする時間に当てています。
クラスを見学することも良い勉強にはなりますが、
その日にしなくてはならないトレーニングも沢山あるため、
全てのクラスを見て学校が終わってからトレーニングをするのは不可能だからと、
フィジオ、ピラティスの先生がおっしゃっていたからです。
先生方、医療チーム、アカデミックのチームは全てしっかり連絡を取り合ってくださっていて、
私の状況をみんなが理解してくださっていました。
そのため、クラスの時間にピラティスに行くために、自分で調節して途中でクラスを早退することも不安になることなく、
しっかり先生に伝えることができました。
【リカバリークラス】
ピラティスの先生は1対1でしっかりと見てくださるため、
手術した場所のリハビリだけではなく、
基礎の見直しをすることもできています。
また、普段から月、火、金はピラティスルームでリハビリのバレエクラス、ポワントのクラスが行われています。
少人数でゆっくりレッスンができるため、
痛みが強い日はクラスを休んで私も参加していました。
ピラティスルームには毎日ピラティスの先生がいるため、先生がいる時間帯に行って見ていただけば、
怪我をしていない人でも色々なトレーニングを知ることができ、
自分のテクニックの向上につながります。
しっかりと教えていただきながらトレーニングをすることで、
普段自分でやっている時よりも正しい筋肉に効かせることができるためとても良いです。
このようにCentral School of Balletのサポートは本当に素晴らしく、
もちろんこの先の不安が完全に無くなることはありませんが、
安心してトレーニングを続けることができます。
Spring termからまた本格的に踊ることができるようになるのが楽しみです!
将来、この時のことを思い返して、
この経験が自分を強くしてくれたなと思えるように、
1日1日を大切に過ごしたいと思います。
【バックステージも勉強の場】
年末の「Winter showcase公演」ではバックステージのお手伝いをさせていただきました。
みんなが踊っている中、自分は踊ることができないのは辛かったですが、
この先に繋がると信じて、全力でお手伝いをしました。
いつもバックステージでどのようにスタッフの方々が支えてくださっているのか、
他の子が怪我で出演できない時の気持ちなどを学ぶことができ、
良い経験になりました。
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(ウェルズから)
困難に直面しても、
自分の気持ちを前向きに保つことは、
言うほど容易くはありません。
頑張っている偲乃さんへ、惜しみないエールを送ります。
今回は学校についてのレポートでしたが、
頑張る偲乃さんの周りには、
ご家族や現地ガーディアンの温かいサポートがいつも溢れています💛