ダイアン・ヴァン・スクーア先生によるオーディション・インサイト2017が終了しました!オーディションを前にした皆さんへ、ダイアン先生から一番大切なメッセージがありました…。
10月の三連休、皆さんはどのように過ごされましたか?
新宿村スタジオでは、超が付くほど真面目な、10才から18才のバレエ学生さんが集まり、ダイアン先生の「オーディション・インサイト」が開催されました。
当日はダイアン先生の一語一句を聞き逃すまいとする皆さんの熱意に、ウェルズのスタッフもたじたじの三日間でした。
「オーディション・インサイト」
日本では、まだ聞き慣れない言葉ですが、イギリスではどのバレエ学校でも、参加型オープンスクールや実際のオーディションへのヒントを教える「インサイト」というイベントを開催しています。
ロイヤル・バレエ・スクールではつい先日「インサイト」が開催されました。またセントラル・スクール・オブ・バレエでは、動画サイトを利用してオーディションの心構えを伝えていたり、イングリッシュ・ナショナル・バレエ・スクールでは毎年、オーディション直前、お正月休みに「インサイト」イベントが開催されています。
「合格に少しでも近づけるヒントを直接学校からもらえる貴重なイベントが、イギリスでしか開催されないなんて、不公平じゃないか!」ということで、急遽、元ロイヤル・バレエ・スクールのロウアースクール校長ダイアン先生に、特別にご来日いただきました。
うーん、それにしても、これまでで最も内容の濃い講習会だったんじゃないかというのがウェルズの実感です。
まずは11才~12才のジュニア1クラス。集中力が持たないからという、ダイアン先生のアドバイスで1時間15分というクラスでしたが、この年齢でも、ここまでディテールに拘って指導するからこそ、ロイヤル・バレエ・スクールの生徒があれほど育つんだと実感するほど細かい指導でした。
生徒さんは1時間でも、きっとクタクタだったんじゃないかな。
印象に残ったのは、デミ・プリエの位置。
1日目には教師クラスを終えた先生方がほとんど残ってジュニア1クラスを見学されましたが、そこでダイアン先生が先生方に、
「日本人はアキレス腱が長い人が多く、かかとを付けたまま、かなり深くプリエが出来てしまいます。
特に低年齢の生徒さんは、行ける所まで行ってしまう傾向にあるので、必ず正しいデミ・プリエの位置を教えてあげてください。」
とアドバイスされました。
オーディションのお話や実践ももちろん。
多くのバレエ学校の最終オーディションでは、スタジオにひとりずつ入る時に英語で自己紹介をします。
「部屋に入る時から、美しく、待っている時にも、常に見られていることを忘れずに行動してくださいね。」
というアドバイスもありました。
そして、同じく最終オーディションで行われる身体検査。
柔軟性や骨格などの検査についてもとても興味深いお話がありました。
ジュニア2は13才~15才のクラス。
留学って、オーディションって、まだまだ迷いもある年齢の生徒さん達ですが、結果は皆さん大満足。
「ひとりひとりをとても良く見てくださった」
「留学についてよく知ることが出来た」
「上半身の使い方が良く分かった」
など感想もそれぞれでしたが、皆さん一様に今回の講習会に参加する目的をハッキリ持ってきてくださっていたことが、大満足の講習会になった理由でもあるんですよ!
お話の時間では、海外に行く時の準備や現地での生活についてという内容もありました。
特に食生活については、
「オーディション期間中は出来るだけ日本にいる時と同じ食生活が送れるように荷物を工夫してください。そしてこれから行く国に持ち込んで良いもの、悪いものを事前に確認することも重要です」
というお話でした。
ウェルズから日本のアルファ米について事前にお伝えしていたのですが、先生も「それはグッドアイデア!」と仰っていました。
長期留学生でも、出来るだけ現地のパンやパスタに頼らず、
「日本のお米を食べること、学校の寮に用意がなくても、頼めば必ず用意してくれますから」
ということでした。
うーん、ロイヤル・バレエ・スクールの学食でお米をリクエストする日本人学生に会える日も遠くないかもしれません!
お米、私たちにはやっぱり欠かせない栄養素なんですね。
シニアクラスは16才~18才の生徒さんが参加してくださいました。
こちらは既に目前に迫ったオーディションに気合十分な生徒さんたちです。
1日目の始まりに、全員にどの学校を希望しているのか尋ねるダイアン先生に驚いた生徒さんもいらしたことでしょう。
でもそれぞれご自分のお教室で習ってきたことを、一生懸命、先生に見せている姿、そしてダイアン先生から受ける注意を真摯に受け止め、必死について行こうとする姿は、感動的ですらありました。
「多くの学校が求める生徒は大きな違いはありません。身体能力に優れ、プロポーションがバレエ向きであり、音楽性、芸術性を備えた学生だという事は皆さんご存知でしょう。でも大切なことは、脚の高さではなく、ラインの正しさ、美しさです。そして何よりも、心から踊ることを楽しみ、それを表現できる生徒を探しています。」
3日目にはロイヤル・バレエ・スクールかしら?と思うようなコール・ド・バレエが出来上がっていたのは言うまでもありません。
「オーディションは願書提出から始まっています」
というお話もありました。つまりは、
「入学やサマースクール、何千通も届くロイヤル・バレエ・スクールの願書ですから、間違いがなく美しく完成された願書でなければなりません。
そして写真やビデオの画像の質、照明、音などにも充分に気を付ける必要があります。」
という事なのです。
そしてこの年齢の生徒さん達に、最も大切なメッセージがありました。
「自分の食べる食事との間に、常に健康で良い関係を保ちなさい」
ダイアン先生いわく、
「学校は痩せている生徒には決して魅力を感じません。
スリムだけれど、強く、健康的なダンサーを求めています。」
皆さんは1日3回、きちんと食事を摂っていますか?
成長期に必要な栄養素を摂取していないと、骨粗しょう症などの原因にもなり、折角プロダンサーになっても怪我がちで、早期に引退しなければならなくなります。
レッスンで時間が不規則な場合は、フルーツやナッツのスナックで補い、決してお腹を空かせた状態でレッスンをしないことが大切です。
あ、それから、チョコレートは残念ながら1週間に一回、ダークチョコレートを少しだけ、自分へのご褒美に食べて良いそうです(汗)
その他、シューズの準備やレオタードの選び方、リコールやインタビューについて、お話のひとつひとつを一生懸命ノートに書き記す生徒さん達の姿が目に焼き付いています。
皆さんオーディション、頑張ってくださいね!
ザ・ウェルズでは11月2日からセントラル・スクール・オブ・バレエの日本講習会兼留学・サマースクールのオーディションを開催します。
受験生は講習会実施中に審査されますので、これからバレエ学校を受験してみようかなと考えている生徒さんも、きっと良い経験になりますね。
イギリスのバレエ学校を体験してみたいという生徒さんも大歓迎です。
学校専属のピアニストが驚くような体験をさせてくれるでしょう。
そして12月にはエルムハースト・バレエ・スクールの講師も来日します。
学校によって少しずつ異なる特徴を、日本に居ながらにして体験できるチャンスです。
イギリスのバレエ学校は職業としてのダンサーを育成する教育機関です。
日本の高校と大学を合わせたような、インテンシブなカリキュラムを提供する学校が揃っていますので、ぜひ色々と体験し、ご自分の目的に合った学校を選ぶことも留学を成功させる秘訣でもあります。
どちらも保護者の方むけ留学説明会を開催しています。