英国ロイヤル・バレエ・スクール:学校公演 2017


ロンドン中西部、瀟洒な高級住宅街にあるホランドパーク。
その中心に位置するホランド・ハウスの前に建てられたテントで
ロイヤル・バレエ・スクールの学年末公演を観て来ました。

 

マチネは主にホワイト・ロッジ(11歳から16歳のロウアースクール)

ソワレはアッパー・スクールを中心にロウアーからは一番上の2学年が出演する構成でしたが、今回は都合でソワレだけ(残念)

演目は以下の通りです。

バラエティに富んだ、とても楽しいプログラムでした。
(古典以外は原題通りに表記しています)

1.レ・シルフィード:フォーキン振付(アッパースクール生)
2.HERE WE COME:エリック・ブラン振付(ホワイトロッジ10&11年生・男子)
3.白鳥(パ・ド・カトル):フレデリック・アシュトン振付(アッパースクール2年生・4名)
4.ECHAD MI YODEA (KYR,1990):オハッド・ナハリン振付(アッパースクール2&3年生・19名)
5.ONWARDS:ジョナサン・ワトキンス振付(アッパースクール1年生・14名)
6.SOLO:ハンス・ヴァン・マーネン振付(アッパースクール3年生・3名)
7.SEE BLUE THROUGH:ディディ・ベルディマン振付(アッパースクール2年生・2名)
8.コンツェルト:ケネス・マクミラン振付(アッパースクール生)

 

「レ・シルフィード」(妖精がたくさん出て来る方!)から始まりましたが、久々に見るロマンチック・バレエの王道で、とても素敵でした。

 

「HERE WE COME」はロウアー・スクール10-11年生(15-16歳)がセーラー服に身を包み、元気な踊りを披露。

 

そしてアシュトンの洒落た白鳥パ・ド・カトル。
女性のひとりは2015年のYAGPで優勝した「栗原ゆう」さん。
切れのある安定した踊りで難しいアシュトンのステップをこなしていました❤(プロみたいだー!)

 

そして何よりもびっくりしたのが、オハッド・ナハリンの代表作「ECHAD MI YODEA」を上演したこと。
一度観たら忘れられないほど、強烈な印象を残す作品。
バレエより拍手と歓声が大きかったのにも、ちょっとびっくり。
大好きな作品なので嬉しかったけれど、きっと賛否両論あるだろうなとは想像できます。


ご参考までに、こんな感じの作品です。

 

25分間の休憩を挟んで、後半は元ロイヤル・バレエ団ダンサー、ジョナサン・ワトキンスの新作「ONWARDS」タイトルの意味は「前へ」(どこかで聞いたことがあるぞ。。。)
題名通り、1年生の少しだけ緊張した感のある、でも伸び伸びとした踊りが目を惹きました。

 

ハンス・ヴァン・マーネンを踊ったのは、3名の3年生男子。
思わず食い入ってみてしまう程、恰好よかったです。
3人がダンスバトルのように代わるがわる舞台に現れては、それぞれのパートを踊るのですが、さすが3年生。プロ顔負けの切れ味でした。

 

それぞれ、ロイヤル・バレエ準団員(Aud Jebsen Young Dancers Programme)、オーランド・バレエ団スコティッシュ・バレエ団への就職が決まっています。

 

年齢に関わらず舞台に一歩出た瞬間に舞台を支配できる事って、ひとつの才能だと思うのですが、この3人はそんなダンサーです。
写真は卒業生の就職先です。

 

 

学校の芸術監督ロバート・パウニー氏の奥様で、今年のローザンヌでコンテンポラリー・ダンスの講師をしていらしたディディ・ベルディマンも2年生に作品を提供。伸縮性のある衣装を面白く使ったデュエットでしたが、やはり選ばれた二人だけあって、技術も表現力も成熟したとても素晴らしい踊りでした❤

 

最後はマクミランのコンツェルト。
RBSの学校公演では数多く上演されてきた、今や古典です。

 

ショスタコーヴィチのピアノ協奏曲第2番、学生だけで全てのパートを踊ります。
今年卒業の前田紗江さん杉浦優妃さんはブラウン・カップルで登場です。
前田さんは前出のロイヤル・バレエ準団員(Aud Jebsen Young Dancers Programme)に契約が決まっているようです。

 

第2楽章はスローテンポの情緒的な部分ですが、2年生と3年生のカップルが踊りました。
女性はYu Hang(2年生)、男性はNicholas Landon(3年生)です。

 

女性が上手いのはもちろんですが、この第2楽章、男性のサポートが物凄く大事。
スローなピアノの流れを途切れさせないように、しなやかに力わざでも力を感じさせずにサポートすることが美しく見せるポイント。

 

で、このNicholasくんの上手さはお手本のようでした。
彼はオランダ国立バレエのジュニアカンパニーに就職するようですね。

 

こうして、たくさんの才能を育み、世界中のバレエ団へ送り出しているロイヤル・バレエ・スクール。

8作品中、半分はコンテンポラリー・ダンスであり、古典は2作品のみ。

 

世界の流れを反映しているように思いました。

 

それにしても学校公演の終演が午後10時。
日の長いイギリスでは、まだほんのり薄暗い程度でしたが、家にたどり着いたのは12時を回っておりましたよ、トホホ。

(2017年7月1日:Holland Park Opera House)