ローザンヌへ行く前に、知っておきたいこと。

日本時間の昨夜、第45回のローザンヌ国際バレエコンクールが終了しました。

受賞者のお名前は、様々なインターネット上で発表されていますから、ここでは省略しますが、本当におめでとうございます!

そして惜しくも受賞を逃したファイナリストの皆さん、そして参加された全てのダンサーさんたちの健闘を称えたいと思います。

これからが新たなスタート!
皆さんのご活躍を心から楽しみにしています。

ローザンヌを目指している多くの学生さんの中には、きっと日曜日の今日も、お休みせずにお稽古に励んでいらっしゃる方も多いことでしょう。

そこで、ウェルズから2つのことをお願いしちゃおうかなと思います。

ひとつは、健康な身体を作ってほしいこと。

練習が続くと疲れて食事も喉を通らなかったり、スタイルを気にして間違ったダイエットに苦しんでいる方もいるでしょう。

ローザンヌ国際コンクールは、これまでも期間中に若いバレエ学生への健康アドバイスをしていましたが、ここ数年、何度か体重で落ちた、という話を耳にします。

エントリーでは書類とビデオ審査がありますが、その書類には健康診断書も含まれています。

特に注意したいのが、BMIや、女性の場合は生理の周期。
その二つは成長期の参加者の健康状態、栄養状態を知るために指針となっているようです。

BMIは、体重÷(身長の二乗)で求めます。
体重はkg,身長はm、を使います。

問題視されるのは、特に女性なのですが、
16才の場合、BMIが17.91以下は痩せ過ぎ(グレード1)、16.44以下はやや栄養不良(グレード2)、15.46以下は栄養状態に深刻な問題(グレード3)があるとされます。

この区切り数値は、年齢が上がるほど大きくなっていきます。

例えば、16才で、身長が160㎝、体重が45㎏では、BMIは17.58、痩せ過ぎに分類されます。
書類審査がどのグレードでカットするかは分かりませんが、カットされた場合、ビデオ審査もしてもらえないそうですので、注意が必要です。

15才~18才の女性のBMI数値を書き出しましたので、自分で確認してみてくださいね。

年齢 BMI(数値)
グレード1 グレード2 グレード3
15.0 17.45 15.98 15.01
15.5 17.69 16.22 15.25
16.0 17.91 16.44 15.46
16.5 18.09 16.62 15.63
17.0 18.25 16.77 15.78
17.5 18.38 16.89 15.90
18.0 18.50 17.00 16.00

筋肉は脂肪よりも重いので、筋肉がついていれば、体重も自然と多めになります。
むやみに体重計に乗るのは危険だということも分かりますね!

カロリー計算よりも、バランスのとれた、ダンサーに必要な栄養素をしっかり摂取するように日頃から気を付けることは、怪我の少ない身体作りにも大切です。

詳しくはローザンヌのホームページに書かれていますので、参考にすると良いですね!
ローザンヌ国際バレエコンクール:健康に関するポリシー

そしてもうひとつ、書いておきたいことがあります。

昨夜のコンテンポラリー部門の審査前に、コーチング・スタッフのヨハン・ステグリさんからご挨拶がありました。

彼が語ったのは、「コンテンポラリーの作品は、ダンサー自らの感情を通して表現しているので、審査では、テクニックよりも、彼らが自分の感情から表現しようとしているところを見て欲しい」という言葉でした。

ファイナリストの選んだクラシック・ヴァリエーションは全てキャラクターのあるソロだったかと思います。

ポーランド出身のスタニスラウ君のアルブレヒトは、まるでそこにジゼルがいるように、感情移入して表現していましたね!

一方、ノイマイヤー作品から選ばれたコンテンポラリー・ソロは、女性の「シンデレラ」と男性の「ニジンスキー」以外、決まったキャラクターはありませんでした。

もちろんこれらのキャラクターにも、想像力を駆使して自分を投影する力が必要ですが、アブストラクトの場合、決められた振付を通して、他の誰でもない、自分の感情を表現しなければなりません。

喜怒哀楽だけではない、豊かな感情を持たなければなりませんね!

音楽をたくさん聴くこと、美術館に出かけること、本を読むこと。
色々なことに興味を持ち、たくさんの人と話すこと。

 

そんな風にバレエ以外の時間も、たくさん過ごして欲しいなと思います。

数年前に受賞した高田茜さんは、ノイマイヤーの「ノクターン」(ショパン作曲)を踊りました。
作品を選んだ理由は、「以前からこの曲が好きだったから」

この美しい曲を聴きながら、想像力を膨らませていたことでしょう。

因みにファイナリスト山元耕陽くんの踊ったヨンデリングで使用されている音楽は、アメリカ人スティーブン・フォスター作曲の「金髪のジェニー」。

叶わなかった恋を想い、二度と会えない面影を追う切ない歌です。

15才の山元くんが持っている感情の引き出しの中から、一生懸命伝えようとする姿に感動しました。

ファイナルの様子は、アルテのサイトでご覧になれます。
ぜひ。

 

 

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