【学校公演レポ】ランベール・スクール・オブ・バレエ&コンテンポラリーダンス(2024年7月1日)

今夏のロイヤル・オペラ・ハウス小劇場(リンバリー劇場)は、
若いダンス芸術家の熱気で溢れています。


6月11日から7月4日まで、3週間にわたって開催されているフェスティバルについて、
ロイヤル・バレエ団芸術監督ケヴィン・オヘア氏の言葉で紹介します。

今年のダンス・カレンダーのハイライトである「ネクスト・ジェネレーション・フェスティバル」は、
世界中の優れたジュニア・カンパニーやダンス学校のための活気あるプラットフォームとなっています。
今日この世界のダンス・コミュニティは才能に溢れており、
私たちは、このような機会を通じて、
急成長する芸術性の多様でエネルギッシュなショーケースを
観客の皆様に楽しんでいただけることを大変嬉しく思っています。

私たちがリンバリー劇場へ迎えるのは、以下の学校、そしてカンパニーです。
Bruno National Theare Ballet, Bundesjugend Ballet, English National Ballet School, New English Ballet Theatre, Norwegian National Ballet 2, Rambert School, The Royal Ballet School, ZooNation Youth Company

ダンスが持つ変容の力は、チャンス・トゥ・ダンス・レガシーとコネクト・カンパニー、ロイヤル・バレエ・スクールのプリマリー・ステップス、ナショナル・ユース・バレエ、そしてジョセフ・パウエル=メインの『All About Us』でも、さらに示されています。新世代のアーティストを率いる若いダンサーたちへのご支援に感謝いたします。

学校公演とは少し主旨は異なりますが、
日々努力を続ける生徒たちにとって晴れのオペラハウスの舞台で踊ることは、
この上ないご褒美ですね!

そして興味深かったのは、これだけの数の作品の中で、
いわゆる「クラシック・バレエ」と呼ばれるもの(フレデリック・アシュトン含め)が、
ロイヤルの「パキータ」、イングリッシュの「レ・パティヌール」と「レプソディPDD」の3作品だけだったということ。
既にヨーロッパではどのカンパニーもコンテンポラリーそしてネオクラシックの作品が
演目の多くを占める時代に突入しています。
私たちは、まさにNext Generation(次世代)のダンスの変容を目の当たりにしているのでしょう。

劇場に入ると、既にダンサーのひとりが舞台にじっと立っていました。

さて、ランベール校の作品群ですが、
目を惹くのは3つのアクラム・カーンの作品
「KAASH」「MUD OF SORROW」「JUNGLE BOOK」
それぞれ抜粋ではありますが、
2年生が果敢に挑戦していました。
「MUD OF SORROW」はカーンがシルヴィ・ギエムとコラボした舞台が
未だに伝説ですが、その後、オシポワとも共演してたんですね。
この公演では、ふたりではなく、
5組がシンクロして演じていましたが、
それぞれのカップルが生み出す音波が共鳴して、
オリジナルにはない面白さが感じられました。

その他は全て3年生が出演
コンテンポラリーダンスの迫力ある舞台を見せてもらいました。
その中でも、やはりキラリと光るいくつかの逸材は見え隠れして、
名前は分からないけれど、きっとまたどこかで見る事があるだろうと感じました。

初めて見る作品で、とても印象に残ったのが、「FROM A TIME WHEN A BUTTERFLY LIFTED A STONE TO SAVE ITSELF FROM VANITY(訳:蝶が虚栄から身を守るために石を持ち上げた時から)」
振付家のAdrian Look の言葉を借りて。

混乱し、騒がしい時代には、まず内側に目を向け、内に秘めた力と独自性を見出す。そこで見つけたものすべてをもって、一人ではなくすべてを救うために他者に近づく。なんと美しい幻想だろう。

身体表現としての踊りだけでなく、
内面からの表現力、演技力が問われる作品。
リハーサルの過程では、きっとダンサーひとりひとりが、
自らと向き合いながら、理解し、表現していったことでしょう。
コンテンポラリーダンスが難しいと感じる人、
形ではなく自分と向き合うことから始めないとかもしれません。
(見る人も、踊る人も)

プログラムにARTHUR PITAの名前を見つけた時、
演劇性、スピード感、観客とのコミュニケーション能力が問われる作品を発表している振付家だけに、
正直「でっきるっかな?」なんて思ってしまいましたが、、
さすがランベールの3年生です。
「CELESTINE」の楽しい世界、
存分に味わいました💛
そのままプロへ、どうぞ、、、な感じです!

最後に2年生が、
カーンの「ジャングルブック」からの抜粋を披露してくれました。
中には中学生の頃からウェルズとご縁のあった、元サポート生の生徒さんもいて、
その成長に驚くばかりでした。
コンテンポラリーダンスの世界は、
彼女の心と身体を自由に羽ばたかせてくれたんじゃないかな、と感じています。
これからの更なる成長と活躍に期待大!です。

ランベール校2年生のあやきさんと。来年の公演が今から楽しみです。
楽しい公演のあとは、いつも足取りが軽いのです。夜10時を過ぎても薄明りの残るコヴェントガーデン

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