【公演レポ】Noism × 鼓童『鬼』熊本公演

今回はなんと熊本から。
The Wellsで去年からSNS担当の Renaさんが公演を鑑賞してくださいました。セントラル校時代の旧交も温めたようです。
海外でも日本でもしっかりと自分の足で歩いている留学経験者たちの様子を聞くことは何よりもうれしいことです。


みなさんこんにちは。Renaです。

1月25日(木) 熊本県にある市民会館シアーズホーム夢ホールにて、Noism×鼓童『鬼』の千秋楽公演が開催されました。セントラル・スクール・オブ・バレエ(CSB)2018年卒業の太田菜月さん(Noism 1所属)が出演されていましたので、応援に駆けつけました。熊本の前には本拠地新潟を皮切りに神奈川と岡山でもツアーを回られてきていました。

市民会館シアーズホーム夢ホール、右奥に熊本城がライトアップされています
市民会館シアーズ夢ホール

<Noism Company Niigata  / ノイズム・カンパニー・ニイガタ のご紹介>

りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館を拠点に活動する、日本初の公共劇場専属舞踊団。プロフェッショナル選抜メンバーによるNoism0(ノイズムゼロ)、プロフェッショナルカンパニーNoism1(ノイズムワン)、研修生カンパニーNoism2(ノイズムツー)の3つの集団があり、国内・世界各地からオーディションで選ばれた舞踊家が新潟に移住し、年間を通して活動。2004年の設立以来、りゅーとぴあで創った作品を国内外で上演し、新潟から世界に向けてグローバルに展開する活動(国際活動部門)とともに、市民のためのオープンクラス、学校へのアウトリーチをはじめとした地域に根差した活動(地域活動部門)を行っている。Noismの由来は「No-ism=無主義」。特定の主義を持たず、歴史上蓄積されてきた様々な身体表現を後世に伝えていこうとしている。

(引用源 Noism公式ホームページ https://noism.jp/about/company/ )

<この作品について>

“ある時、ある場所で、役行者率いる男たちと清音尼率いる女たちがすれ違います。その出会い、緊張の刹那、締め太鼓の1音が空間を切り裂きます。そしてそこから鬼を巡る旅が始まります。

この作品に明確な物語はありません。役行者と清音尼、そして鬼という3つのキーワードに基づいて、あくまでも音楽的インスピレーションから創作されました。音楽に深く深く潜り込み、身体を深く深く掘り下げていく。そこにあるかもしれない金(精神の光)を求めて。

鬼とは何か、そしてその多様性と普遍性(侵食性)が私たちに何を語りかけるのか。私たちは鬼とどう生きるべきなのか。本作品を通してその問いを、皆様と共有できればと思います。“

本公演プログラムより引用

本公演は3部構成で、1部はNoism×鼓童による『鬼』、2部はNoism芸術監督の金森穣さんと鼓童の代表船橋裕一郎さんのトーク、3部は鼓童のThe Special Performanceでした。

<1部 Noism×鼓童 『鬼』>

舞台上にダンサーが下を通れるくらいの高い台座があり、その上で鼓童の方たちが演奏されていました。バレエの公演では基本オーケストラ(演奏者)は舞台と客席の間の一段低い場所、オーケストラピットで演奏する場合が多いので、演奏者とダンサーが1つの舞台上で一緒にパフォーマンスするというのはとても新鮮でした。

黄金のカーペットや幕が使われており、その光の反射を際立たせるためか暗めな照明でした。黄金のカーペットの上にたつと光の反射でスポットライトに当たっているような美しい照明に。

前半は和を際立たせた着物のようなデザインの衣装、後半は打って変わってメッシュのユニタードにゴールドが所々施され強く妖艶な衣装に早変わり。人間から鬼へと豹変した表現のように感じました。

終始緊張感が走っていた演目でした。静かに虎視眈々と獲物を狙うような緊張感と内に秘めていた“鬼“が暴れ出すような激しい緊張感が交互にくるような…瞬きするのも忘れてしまうほど引き込まれました。

作曲を手掛けられた原田敬子さんの繊細で創造力豊かな現代音楽を、伝統楽器の太鼓で演奏するからこその表現の幅の無限さにも心を動かされました。
(The Wells注:会場には 曲想と楽譜の展示もあったようです)

<2部 Noism芸術監督の金森穣さんと鼓童代表の船橋裕一郎さんによるトーク>

金森さんによると、カンパニーを設立した当時から同じ新潟県拠点とのこともあり鼓童さんと親交があったそうです。コロナ禍の時オンライントークをした時にぜひコラボをというお話が上がり想像以上に早く実現することができたそうです。そしてダンサーたちにとっても演奏者たちにとっても、それぞれの可能性を広げるコラボであったとお話されていました。

今回は、太鼓芸能集団 鼓童とのコラボとあって、両方のファンたちが詰めかけたようでした。伝統芸能の太鼓と現代舞踊は一見かけ離れたように見えて、同じPerformimg Arts、芸。やはり表現するという点において共通するものがあるとパフォーマンスを観てひしひしと感じました。

<3部 鼓童 The Special Performance>

数え切れないほどの種類の太鼓が舞台上に並び、他にも笛や小さなシンバルのような楽器チャッパも登場しました。太鼓で鍛え上げられたお腹の底から出る唄声も本当に素晴らしかったです。どどん。と太鼓らしい力強い音から、それぞれの太鼓が順番に参加していきビートから音色へと変化し盛り上がっていきました。掛け声も交えながら心から演奏を楽しんでいるのが伝わってくる笑顔、そしてとてつもなく素早い手つきで太鼓を打つテクニックに心を打たれました。中でも個人的に1番印象に残っているのは、人の5倍はあるような大きな太鼓のソロ演奏でした。私たち観客には演者の背中しか見えていないのに、背中から溢れ出る一音一音に込める強い思いそして太鼓に対する情熱が伝わってきて感動しました。

本当に見応えたっぷりの素晴らしい舞台を観ることができ、幸せでした。菜月さんがCSBを卒業して以来の再会、そして菜月さんの踊りをまたこうして観ることができ、感動の嵐でした。ご縁に感謝です。

少しでも私が感じた感動を皆様にもシェアできたらと思いをこめて今回のレポートを書かせていただきました。最後まで読んでいただきありがとうございました。

またNoism 2に所属の春木有紗さん(CSB2021年卒業)村上莉瑚さん(CSB2022年卒業)が出演される、『Noism 2定期公演vol.15』が2024年3月1日(金)〜3月3日(日) りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館にて開催されるようです。ご興味ある方はぜひ行ってみてはいかがでしょうか。


Renaさん、ありがとうございました。
感動の嵐が伝わってきます。

舞台って、いいですね!(ちょっと古くてすみません)

英国バレエ&留学情報

The Wellsの最新情報はメールまたは公式LINEでお届けしています。InstagramやFacebookでは現地バレエ学校情報や留学生たちの活躍などもお届けします。

The Wells 公式LINE

友だち追加

※ご希望の方は友だち追加をお願いします。


Instagram
Facebook