こんにちは、週末はいかがお過ごしですか?Hiromi です。
中間テスト期間中の方、もう終わって思い切りレッスンをしている方、いろいろですね。
来週は大きなコンクールもあるし、ローザンヌの審査の結果も届くので、テストどころじゃなくて・・・という声もお聞きしています。
ご自分の実力を存分に出してチャレンジしてくださいね!
さて、セントラル・スクール・オブ・バレエの日本講習会兼オーディションの申し込みも来週10月28日で締め切ります。
ほぼ満員のクラスも、若干余裕があるクラスもありますが、特にオーディションを考えている方は願書の記入(もちろん英語です)もあるのでどうぞお早めに。ダイアン先生のお話にもあった美しい願書のアドバイスの記事はこちら。
さて、今日のテーマは「イギリスのバレエ学校とコンテンポラリー・ダンスの関係」。
セントラルの講習会にお申込みをされる際、「今までコンテンポラリー・ダンスの経験がないのですが、講習会の内容に入っているので心配です」というお問い合わせは良く頂きます。
そのお答えとしては、
「セントラル・スクール・オブ・バレエの先生方は日本人の学生さん
やや辛口ですが英国のダンスシーンに精通しているからこその観点です。
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バレエ・ダンサーにとって欠かせない資質のひとつが多様性、いろんなジャンルを踊れるということなんです。
「セントラル・スクール・オブ・バレエに行くと、コンテンポラリー・ダンスをやらなければならないんですか?」
という質問を皆さまからよくいただきます。
セントラル・スクール・オブ・バレエはクラシック・バレエのバレエ学校ですから、もちろんバレエが主体ですが、基本的には、ロイヤルやイングリッシュ、エルムハーストなど他のバレエ学校同様、プロダンサーを育てる職業専門学校です。(バレエとコンテンポラリー・ダンスの比重は7:3です。)
ただし、卒業時にほかのバレエ学校にはない「ケント大学卒業資格」という、とても素晴らしいオマケが付いてくるのも、学校の魅力のひとつとなっています。
このブログでも何度も強調してきたように、クラシック・バレエだけで現代のバレエ団に入団するには、余程の実力と身体的素養が必要不可欠です。
ロイヤル・バレエ団のレジデント・コレオグラファーはウェイン・マクレガーですが、(ユニクロの宣伝にも登場したスキンヘッドの方です)彼のお気に入りは、先ごろプリンシパルに昇進された高田茜さんや、金髪の天使サラ・ラムさん、今や大スターのスティーブン・マクレイさんです。
彼らに共通するのは、強いバレエの素地に加え、指先から背中、足先まで身体中の関節を自在に操ることができるということです。
イギリスだけではありません。
パリ・オペラ座バレエ、アメリカン・バレエ・シアターなども同様、クラシックの演目とコンテンポラリーの新作や再演を積極的に取り入れています。
セントラルの3年生では、バレエ団オーディションのために、クラシックのソロを2つ、コンテンポラリー・ダンスのソロをひとつ、練習します。また卒論のためのソロについては、日本人の生徒さんはクラシックのレパートリーから選ぶ方が多いようですね。そして中には、在学中にコンテンポラリー・ダンスに目覚め、方向転換していく人や、怪我が理由でコンテンポラリー・ダンサーを目指す人もいます。
私は、身体を使って何かを表現し、お客様に伝えることが仕事であるなら、バレエもコンテンポラリーも違いはないという事がとても大切だと思います。
留学を考えるまで、バレエに没頭してきたのであれば、それがきれいなチュチュを着られるお姫様への憧れだけではないことを、嫌というほど皆さん理解しているはずです。両方を本格的に学べる機会があるのなら、それを逃すのは、自分の可能性を半分に減らしてしまっているようなものでしょう。
イギリスに行くとコンテンポラリー・ダンスをやらされる、そんな誤解があるなら、とても残念なことですね。
バレエダンサーになりたいという素敵な夢を持っている若い方たちには、ぜひ真の芸術家を目指して、お稽古して欲しいなと思います。
レゲット菜穂子
※日英ダンス協会と共催