バレエ団への入団オーディション(その3)
~落ちたってへこたれない!~
オーディションで合格する人がいれば、必ず落ちる人もいます。
いえ、落ちる人が殆どなのが、オーディションです。
だからと言って、落ちるだろうと思ってオーディションを受けに行く人はいないと思いますが、行ってみると思いもしないことが起きるのも、オーディションです。
バレエ団のオーディションって、順位をつける学校のテストや、入学する人が必ずいる前提の入学試験などとはちょっと違います。
オーディションを開くカンパニーの中には、100人近くも招いておいて本当はひとつしか契約の空きがない、またアジア人を取る気はもともとないなど、はじめから受けてもしょうがないものがありました。 しかし、初めてオーディションというものを経験している私には知るすべもなく、また私同様、他の多くのダンサー達も、希望を持ってオーディションに足を運んで来ていました。 カンパニーの中には、あらかじめ誰を取るか大体の見当をつけていて、その人以外は目に入っていなかった、というのは他の人から聞いた経験談です。 また、オーディションをする中で、審査員は同じ国籍、見た目やタイプのダンサー同士を比べていることがあります。 まだ残っている人より自分の方が上手くできたと思っても、このような理由からすぐに切られてしまうこともあるようです。 また、前に述べたように、カンパニーとの相性は、時には技術よりも優先されるようで、そのダンサーがカンパニーのレパートリーを踊った時にどう見えるかという視点から、振付家や芸術監督の思い描くイメージに合ったダンサーが拾われることも多いようです。
オーディションの合否は、上手いか下手かではありません(そもそもみんな大変上手いので!)。
いかにもクラシックバレエ専門の背が高く、細身の人が合格するとも限りません。
その時、そのカンパニー、そしてその芸術監督が必要としているダンサーが合格するわけです。きっと一人も合格しないオーディションもあるでしょう。
たとえ取る人が決まっていても、オーディションをするのは、「もしかしたらいい子がいるかもしれない」という期待の表れでもあります。
その「いい子」があなたかもしれないのです。
これは、バレエ学校のオーディションにも当てはまるのですが、さて、落ちた時にどうするか。
バレエ学校のオーディションをいくつも手掛ける先生のお話です。
もし入学・入団に落ちたら…。
最初に→すっごく悲しんで、落ち込む。落ちた理由より、落ちた事実に対して嘆き悲しむ。
次に→何か気晴らしになることをします。映画を見たり、ケーキを食べたり。
最後に→もうくよくよせずに、また前を向いて次にチャレンジする。
実際は、なかなか、そう上手くはいかないのですけどね。
でも覚えておいて損はないかな、と思います。
10月のAudition Insight では、そんな気持ちのコントロールについても、お話がある予定です。
3日間、先生の注意はひとつも聞き洩らさないでくださいね!