【ニッポンレポ】新国立劇場バレエ団、ディビッド・ビントレー振付「アラジン」(2016年6月17日、新国立劇場)

無限の想像力を駆使したファンタジー・バレエ!

 

「アラジンは中国人だったんだ!」とか、「なんで中国のライオンダンスや長崎くんちの龍踊(じゃおどり)が登場するのかな??」とか、そんな細かい所は差し置いて、ビントレー氏の「踊るバレエ」を存分に楽しませてもらった舞台でした。

アラジンのように万人に知られた空想の物語を、場面ごとに切り取って、踊りで深化させつつ、全体をひとつにまとめることは至難の業です。
そして、全幕ですから、約2時間、観客を飽きさせないようにしなければなりません。

舞台はアラビアの市場から始まりますが、ごちゃごちゃしそうな場面でも、ジャンプを多用する難しい振付を軽やかにこなす福岡雄大さんのアラジンを見失うこともありません。

そしてランプを取りに入った洞窟の中で繰り広げられる宝石たちのディベルティスマンは、新国立劇場のダンサーさんたちのピュアなクラシックラインを良くご存知のビントレー氏だからこそ、こんな清々しく華麗な踊りの数々が生まれたのでしょう。
第1幕からこんなに見せ場がある全幕バレエは近年作られているでしょうか?

わくわくしていると、第2幕ではアラジンとプリンセスの、しっとりしたロマンチックな雰囲気に包まれた王宮での、それはそれは美しいデュエットがあります。
たおやかで、繊細で初々しい深窓のプリンセスの踊りは小野絢子さんの真骨頂ですね。
王宮内での場面転換もとてもわかりやすくて、どんどん物語が進んでいきます。

音楽もこの作品のために作曲されましたが、中国を意識していて、アジアンな香りいっぱい。アラビアと中国はシルクロードで結ばれていたんだなあ、なんてことを思いながら、登場人物ごとにテーマが繰り返される映画のサウンドトラックのような楽しい音楽も堪能できました。

学校の舞台鑑賞会でしょうか。学生さんがたくさんいらしていました。小野・福岡ペアをご覧になれるなんて、ラッキーですね。一流の舞台で目を養って、もっともっと劇場に足を運んでいただきたいなと思います。

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