【ロンドンニュース】バレエ・セントラル、公演ツアー2016だより!

プロバレエダンサーとして舞台に上がる、厳しさと楽しさを体験する毎日です!

今年のバレエ・セントラルもクラシック・バレエ、コンテンポラリー・ダンス、ストーリー・バレエとバラエティ豊かな演目が揃いました。

ネオクラシックな幕開け作品は創立者で元ロイヤル・バレエ団の故クリストファー・ゲーブル氏の作品。今でも大切に守り続けられている所に
“To become the best possible dancer you can be and want to be.”
という多様性を大切にする学校方針が感じられます。

先日のバレエ・セントラルの舞台評に続けて、今日は実際の舞台について伊藤舞さんが語ってくれました。

【頭で考えても覚えられず、何度も泣きたくなりました。】
私が1番大変と感じたのは、フェニックス・ダンス・カンパニー芸術監督のシャロン・ワトソン(Sharon Watson)振り付け、「Repetition (2) Change」です。

コンテンポラリーの男女3人ずつの作品なのですが、動き、スペーシング、解釈、全てが難しく、複雑に感じました。

踊らせていただくためにオーディションがありましたが、選ばれた後、1回だけリハーサルを受けられなかった時に、振付が進んでいたことがありました。

私のダブルの子が踊っているのを見ているだけ、頭で考えるだけでは、とても覚えられなくて、踊れなくて、何度も泣きたくなったし、頭から湯気が出るような感じになりました(笑)!

その時にリハーサルをしてくれていたフェニックス・ダンス・カンパニーのプリンシパルダンサーのSandrineさんが、マーキングしないで「全部フルアウトで踊って体で覚えなさい!」と言ってくださり、とにかく何度も何度も繰り返して動きました。

3月からずっと踊っているのですが、最近解釈もやっとできた時は、動きと振付家がイメージした事が結びついて、ものすごく感動しました!

今はやっと、色々な事を考えて、楽しんで踊れるようになったと思います。私の大好きな作品です!

【何度も何度も踊りたい!と思うストーリーバレエ。】
バレエ・セントラルの芸術監督クリストファー・マーニー(Christopher Marney)振付の「War Letters(戦地からの手紙)」は、ストーリー性があり、今まで経験した事がない感じの作品だと思いました。

クラスメイトの中でも大人気の作品でみんな踊りたがっている作品です。私はその中のトリオを踊っているのですが、女の子1人、男の子2人のトリオを踊るなんて初めての経験です(笑)

彼の作品は1つ1つの動きに台詞が見えてきて、何度も何度も踊りたい!と思う作品です。でも、踊っていて本当に楽しくなってしまうので、私は気持ちが高まりすぎないよう、もっと冷静に他の事も考えながら踊らなくちゃいけません(笑)

【ダンサーの後ろでは、誰かがいつも出番を待っている】
担任の先生が、「常に誰かが、踊るためにあなたの後ろで待っているのよ」と仰っていました。バレエ・セントラルを経験していて、本当にそうだと思いました。

今は学生ですが、プロになればこれが普通になるわけで、本当に常に気を抜かず、練習、リハーサルしなくちゃいけないと改めて思いました。

今、私は、色んな作品を学ぶ事、経験する事ができて本当に充実したバレエ・セントラル公演を送っています! 1つとても残念なのが、日本公演がない事です(泣)

一回ずつの公演で、精神的にも技術的、芸術的にも磨かれていくバレエ・セントラル。卒業した後も「セントラルの卒業生はプロ意識が高く、即戦力になる」と多くのヨーロッパのカンパニーが認めています。いつか日本公演が実現できればいいですね!!!

公演、就職活動、卒論(ケント大学学士号が取得できます)と、大忙しの3年生。卒業まで残りあと1か月半、更に充実した毎日を送ってください!

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