「パリのアメリカ人」終演後、
リハーサルが始まる前の短時間でしたが、
久しぶりに杏実さんの明るい笑顔に再会し、
ロンドン時代が戻ってきたようで、
お互いに目頭を熱くしながらハグ。
同級生の話や、
最近のセントラル校、
新校舎への移転の話題に盛り上がった後、
2月に日本オーディションを予定している母校
「セントラル・スクール・オブ・バレエ」について
少しお話を伺うことができました。
ウェルズ(W):「パリのアメリカ人」ご出演おめでとうございます。とても素敵なリズでした。
杏実さん(K):遠くから観にいらしていただいて、ありがとうございました!楽しんでいただけて嬉しいです。
W: 杏実さんは2015年イギリスの「セントラル・スクール・オブ・バレエ」を卒業して
すぐに劇団四季に入団されましたが、留学前から四季への就職を目指していらしたんですか?
K: そうですね、四季は昔から憧れていましたが、
私がイギリスに留学したきっかけは、
私がその時、英国スタイルのバレエを習っていたことと、
ロイヤル・バレエ団のプリンシパルダンサー、マリアネラ・ニュネスが大好きだったことです。
その中でセントラル校は、教育内容の幅が広い、
ジャズや歌、そしてお芝居(演劇)など、
他のバレエ学校が力を入れていないことを学べるということで、
いつか四季の入団に繋がるかも知れないなと思って入学しました。
実際、入ってみて、お芝居ももちろんですが、
ジャズの授業で、本場のミュージカル「キャッツ」の踊りを学ぶ機会もあって、
そんなとき、
「ああ、やっぱり楽しいな」と実感することができました。
留学中、マシュー・ボーンのニューアドベンチャーズも気になっていたのですが、
ちょうど私が卒業する年にはオーディションがなく、
逆に卒業のタイミングで四季のオーディションがあるということで、
受けてみたんです。
W: 杏実さんは、研究生は経ずに、そのまま正団員として入団されたんですね?
K: はい。正団員としての採用だったので、「えいっ!」と思って入団しました(笑)
W:その当時は「パリのアメリカ人」を上演すると聞いていましたか?
K:いいえ。全く知りませんでした。
入団してから、「オペラ座の怪人」や「ウィキッド」「ライオンキング」など、
いろいろな作品に出演させていただいているのですが、
今まで、全ての作品でトゥシューズを履いています。
結構バレエに救われているところが大きいと思います。
12人いるアンサンブル*の中で、
「トゥシューズを履ける小柄な人」が必要というと、
必ず声をかけていただいています。
トゥシューズがあったから、
バレエがあったから、
今、役をもらえているというところがあると思っています。
リハーサルが始まるということで、
慌ただしく舞台裏へ戻って行った杏実さん。
渋谷、横浜、名古屋、そしてまだまだ続く公演ですが、
これからも多くの観客を
魅了してくださることでしょう!
2月22日から始まる京都公演の詳細はこちら。
ロンドンのウェストエンドでは、
ロイヤル・バレエ・スクール、セントラル、エルムハースト、ノーザンバレエなどなど、
多くのバレエ学校出身者がミュージカルの舞台で活躍しています。
1月24日から本でも公開される
映画「キャッツ」では
ロイヤル・バレエ団プリンシパルの
スティーブン・マクレーや
フランチェスカ・ヘイワードが出演し
話題となっています。
今回の公演のプログラムにも、
バレエとミュージカルの関係という記事が大きく出ていました。
今後、益々アメリカやイギリスのミュージカルを、
劇団四季が日本中に届けてくれることになると嬉しいですね。
(なんと新たに1名のセントラル卒業生が劇団四季に入団し、
既にリハーサルが始まっているという情報もゲット!
バレエだけでなく、
ミュージカルも追っかけるウェルズになりそうな予感です。)
*アンサンブルって?(ミュージカルに精通する方の説明を引用しています):
ミュージカルのアンサンブルは独唱やセリフを一人でしゃべることもあります(四季ではないですがレ・ミゼラブルは全てのアンサンブルに必ず1言は独唱があります)。歌も支え、ダンスも支え、芝居も支え…何でもできる人たちの集まりがアンサンブルです。
何かが群を抜いて出来たりするとメインになったりするんでしょうが、
華やかさだけで主役を取るような人より、よっぽど上手だなと思うこともあります(もちろん、華やかさも重要な要素ですが)。四季は○○役オーディションというより、劇団員を募集しているので、今日のアンサンブルが明日のスターになるのもおかしくない世界です。だから、オーディションに受かったらすごいことだと思いますよ!