「コンテンポラリー・ダンスってなに??? 😐 」
ウェルズから悩める日本のバレエ学生さんに送る、「コンテ、やっといた方がいいよ!」シリーズ第2弾は、実際にイギリスのバレエ学校で行われているコンテンポラリー・ダンス授業についての印象です。
そもそもコンテンポラリー・ダンスは、バレエのような正しいとされるポジションやポーズ、ステップがありません。そこが、皆さんが「じゃあ、何がコンテンポラリー・ダンスなの?」と疑問に思うところでしょう。コンテンポラリー・ダンスでは、型やステップの美しさより、その踊りで何を表現しているか、ということが問われます。ですので、自分の表現したいことで好きな踊りを作れば、既にそれをコンテンポラリー・ダンスと呼ぶことができるのです。
実はこの「自分の表現したいことで好きな踊りを作る」いわゆる「創作」や「即興」と呼ばれる授業は、日本人の学生さんが一番苦手としているところなんですが、そのお話はまた次回。
今回は、コンテンポラリー・ダンスの中でも、バレエダンサーなど既に基本的なダンスのトレーニングを積んでいる人たちのための作品を踊る準備として勉強するテクニックについて。
イギリスのバレエ学校では、現在イギリスで主流とされる、「カニンガム」や「グレアム」、また「リリース」と呼ばれるコンテンポラリー・ダンスのテクニックを学ぶ授業があります。これらには、バレエと異なる身体の動き、オフバランスや背中のカーブ、フロアワークやイレギュラーな音の取り方など、一筋縄では行かないものが多く登場し、多くの学校では週に3回はこれらの授業が行われます。(話がずれますが、これらは実は、フレデリック・アシュトンから始まるイギリスのバレエスタイルに大きな影響を与えていて、近年の新しいバレエ作品にも必要とされる身体の使い方がふんだんに盛り込まれているのです。)
コンテンポラリー・ダンスの振付家たちは、まさにこの瞬間にも作品を生み出しています。学校ではそれら振付家を招聘して、学生にレパートリーを学ばせたり、学校公演用に新たな作品を委嘱して、常に最先端のコンテンポラリー・ダンス界に触れる機会を提供しています。
さて、現役イギリス・バレエ留学生たちの、コンテ授業に対する印象を聞いてみましょう。
問)学校でのコンテンポラリー・ダンスクラスについての印象を聞かせてください。
*バレエ学校でのコンテクラスは、基礎と応用どちらも時間をかけて練習できるので、ますますコンテが好きになりました。毎回新しいことをやるというより、何度も同じ動きを繰り返し練習します。難しいステップがあっても、時間をかけて体や空間、音の使い方が学べるのでとても楽しいです。(1年生)
*バレエ学校には、それまでにすでにコンテンポラリーを習っていた人、または体操をやっていた人などがいました。クラシックバレエをずっとやってきた私は、体のポジションや形を真似することはできたものの、体が逆さまになったり、全身が傾いた状態でジャンプしたり、特に床に転がったりなど、バレエではあまり出てこない動きに戸惑ってしまうことがよくあり、これが経験のある人たちとの最大の差であるように思いました。また、全身を十分にコントロールした状態で無駄な力を一切省きリラックスするというのが私にとっては新しく、この感覚を理解するのにはとても時間がかかりました。(3年生)
*難しいけど好きです。とてもナチュラルに動かなければならないのでそこが私には難しいですが、全身を使っているのが踊っていて分かるので面白くて好きです。(1年生)
*1年生ではグレアム、2年生ではカニンガムを勉強しています。校内や学校外で色々な振付家に作品を作ってもらったりして、自分の中でのコンテンポラリー・ダンスへの理解が段々深まってきていると思います。それぞれの振付家によって、踊りのスタイルもダンサーへの要求も全く異なるので楽しいです。(2年生)
*今ではバレエと同じくらいコンテンポラリー・ダンスが好きです。異なる筋肉や身体の使い方が必要とされ、それは今まで経験したことない動きばかりですごく面白いしバレエにない格好良さと柔軟性がありすごくいいなと思います。またこんなことできるのかと知らなかった自分自身を知ることができて将来への可能性を広げられたと気がします。更に学校でのコンテの先生の人柄が好きというのも理由の一つです!(1年生)
さて、次回は、「留学してから感じたコンテの必要性」。試行錯誤しながら、コンテを受け入れて行く学生さんたち、強いですね。どうぞお楽しみに!
ザ・ウェルズでは、日本のバレエ学生さんも気軽に参加できるよう、コンテンポラリー・ダンス講習会を開催しています。イギリスからそっくりそのまま「コンテンポラリー・ダンス・サマースクールin Tokyo」の詳細・お申込みはこちらから→http://thewells.co.jp/dance
第3回英国コンテンポラリー・ダンス・サマー・インテンシヴ2017
※日英ダンス協会と共催