日本のテレビでも中継された
「エリザベス女王 即位70周年記念 プラチナ・ジュビリー」のパレード
本当に華やかでしたね!
オペラハウスのガラ公演
そして、このような大きなお祝いの時には、
必ずと言っていいほど、
ロイヤル・オペラ・ハウスでは、ガラ公演が開催されてきました。
その時々のトップダンサーが、出演するガラ公演では、
日本の吉田都さんや佐久間奈緒さんといった、
イギリスのバレエ団で長年第一線で活躍したダンサーたちも
出演してきました。
オペラ歌手やトップバレエダンサーたちが集う盛大なガラ公演ですから、
観客も着飾って、その場を楽しむ素晴らしいひと時となっています。今回も?と思って期待していましたが、
恐らく長時間、鑑賞しなければならないエリザベス女王のご体調もあったのでしょう。
今回ガラ公演は開催されず、
女王陛下をはじめとする、
ロイヤル・ファミリーとオペラハウスの軌跡をたどる
館内特別ツアーが4日間限定で実施されています。
文化・芸術を支える力
ヨーロッパのバレエは、
音楽や美術と同じく、
古くは王室や貴族、裕福な商人たちの資金援助で発展してきました。
いわゆる「パトロン」というものですね。
そのため、イギリスも同様に、
ロイヤル・ファミリーとバレエは繋がりが強く、
ほとんどの学校やバレエ団には、ロイヤル・ファミリーのメンバーを
そのパトロンに持っていて、
特別に「ロイヤル・パトロン」と呼ばれます。
バレエ学校においては、
エリザベス女王をパトロンにもつロイヤル・バレエ・スクールをはじめ、
エルムハースト・バレエ・スクールはチャールズ皇太子夫人のカミラ・コーンウォール公爵夫人、
イングリッシュ・ナショナル・バレエ・スクールはベアトリス王女(エリザベス女王の孫)、
セントラル・スクール・オブ・バレエはソフィ・ウェセックス伯爵夫人(エリザベス女王の第三子エドワード王子夫人)
などなど、実際に公務にも忙しい、
そうそうたるメンバーが名を連ねています。
彼らはバレエ学校を自身で支援すると同時に、
募金活動やチャリティーイベントにも積極的に関わり、
学校経営を支えています。
イギリスでは各学校、それぞれ趣向を凝らした
「チャリティー・イベント」や「ファンドレイジング」が行われますが、
特にスペシャルなイベントには、
パトロン自ら学校を訪れて、レッスンやパフォーマンスを見学し、
生徒やスタッフたちを励ましてくれています。
(ロイヤル・パトロンが訪門される時、学校は上へ下への大騒ぎです!)
日本でも人気の高い、
ウィリアム王子とキャサリン妃の第一子、
ジョージ王子が通う小学校では、
毎週1回RAD (ROYAL ACADEMY of DANCE) のバレエレッスンがあり、
王子はとても楽しんでいるとか。
きっと将来は、
イギリスのバレエ学校やバレエ団のパトロンとして、
ダンサーやバレエ学生を応援してくださるようになるのでしょう!
職業として地位の確立されたバレエダンサー
その他にも、貴族階級の方々を中心とした
さまざまな強く温かい支援によって、
文化芸術が支えられているのが、
ヨーロッパと日本の大きな違いのひとつでもあります。
また、ダンサーや振付家は職業人としての地位が確立していて、
その功績はエリザベス女王からの「叙勲」として世に示されます。
今回の即位70周年特別叙勲では、
マシュー・ボーンの「ニュー・アドベンチャーズ・カンパニー」から、
2名がそのダンス業界への貢献を評されました。
もちろんマシュー・ボーン氏自身はずっと以前にOBEという称号を受勲しています。
その他、前ロイヤル・バレエ団芸術監督のモニカ・メイソン氏や
クリスマスには皆さんにも人気のロイヤル・バレエ団のくるみ割り人形を作ったサー・ピーター・ライト氏(サーは氏名ではなく、称号です)、現役ではロイヤル・バレエ団の振付家2名(新国立でも上演される「不思議の国のアリス」のクリストファー・ウィールドン氏や、新しい挑戦を続けるウェイン・マクレガー氏)が受勲しています。
ダンサーでは、ダーシー・バッセルさん、吉田都さん等々、
本当に書ききれないほど、多くのダンス関係の方々が受勲しています。