熊川哲也氏演出、再振付の「海賊」を観て来ました。(2017年5月28日@オーチャードホール)
イギリス人舞台デザイナー、ヨランダ・ソナベンドのド派手な装飾は、このエンターテイメントバレエにぴったり!のっけから大きな海賊船が舞台に登場して、雰囲気はいやがおうにも盛り上がります。
メドーラは浅川紫織、コンラッドは長身の宮尾俊太郎、アリは若手のホープ、山本雅也という組み合わせでした。前回の公演の時は中村祥子のメドーラを観ましたが、今回の浅川メドーラも身長こそ及ばずも、煌びやかな気品たっぷりのメドーラで、登場するや舞台がキラキラと明るく輝いていました。
同行したウェルズスタッフは、それよりもパシャのキンキラ衣装がお気に入りだったようですが。そんなところにも手を抜かない演出が嬉しい限り。ややもするとストーリーに関係ない踊りばかりで間延びしてしまう作品ですが、さすが英国仕込みの熊川氏のそこかしこに散りばめられた人間ドラマのスパイスで、物語を楽しむことが出来ました。
肝心の踊りは、特に女性陣の質がとても高くて、大人のバレエを楽しみました。セントラル校の卒業生、片岡沙樹も2幕のParestinaで大暴れ(冗談です)。アップテンポでキレッキレの若さ溢れる踊りですがテクニックも大変。彼女の体幹の強さが伺われる上手さでした。6月23日からはジゼルが始まります。片岡沙樹もウィリで全公演出演するそうですよ。皆さん、よろしくお願いします!