「今を生き、今を踊る」
ランベール校卒業後、マシュー・ボーンのニュー・アドベンチャーズで活躍、現役引退後は指導者としてカンパニーのダンサーを指導する傍ら、青少年の育成に携わり、公的ダンス教育機関CAT(Centre for Advance Training)やマシュー・ボーンのリ・ボーン・プロジェクトで多くの若いダンサーの育成に情熱を注いでいるリー・スマイクル。
6月からは歴史あるダンススクール「レガット・ダンス・スクール」の校長に就任し、その指導力を発揮する機会に、ますます広がりを見せています。
3日間のサマーコースを終えて、いよいよプロコース。
更に複雑な動きが展開するので、見本を見せ続けるリー先生。
最近はデスクワークが多いと嘆いていらっしゃるわりに、誰よりも俊敏に、エネルギッシュに動いています。
クリエイティヴセッションの課題は、Unspoken Conversationです。
コンタクト・インプロにも通じる、相手の身体を聞く、身体で相手に伝える、ということを実践しました。
アドバンスクラスの2日間コースでは、体重の移動について更に理解を深めることも実践。
コンテンポラリー・ダンスでは、自分の体重を使ったムーブメントが多様されますが、二人の場合、お互いの体重を使ってバランスを取ることが出来ると、男性をリフトすることも容易になります。
小さな女性参加者が筋肉質の男性ダンサーをリフトして移動させた時には思わず周囲から拍手がわきました。
レパートリーのセッションでは、SYDの制作中の新作「ヘンゼルとグレーテル」から抽出したデュエットを習得。
それまでにテクニッククラスで習った様々な要素が、実際の踊りでどのように使われているかを細かく実践していきました。
プロとしても活動している方も参加した2日間コースですが、最後にリー・スマイクルが伝えたことは、舞台でもスタジオでも、「何かの振りをするのではなく、実際にその作品なり振付なりの中に、実在すること。自分自身の今を生き、今を表現すること」でした。
彼のコンテンポラリー・ダンスに対する熱い想いが伝わった5日間。
また来年の再会を約束して幕を閉じました。
第3回英国コンテンポラリー・ダンス・サマー・インテンシヴ2017
※日英ダンス協会と共催