正しい古典は、涙が出るほど美しい

チェケッティ・メソッド
ディプロマ・フィルム完成披露会に出席してきました。

2017年11月20日
ロンドン市内、ソーホー地区にある、瀟洒なハム・ヤード・ホテルにて

「エンリコ・チェケッティ・ディプロマ」フィルムの完成パーティーが盛大に開かれました。

今年2月にディプロマ・コースを開催し、ご好評をいただいたザ・ウェルズは、
光栄にもご招待をいただき、出席して参りました。

 

会場には両ロイヤル・バレエ団の芸術監督を初めとして、名だたる振付家の方々、

レズリー・コリア、ダーシー・バッセルら往年のプリンシパルたちや現役リードダンサー、

チェケッティ・ソサエティの主だったメンバー、

そして両ロイヤル・バレエ団からフィルム撮影に協力したダンサーたちが華やかに集いました。

ロマラ・ニジンスキ、エンリコ・チェケッティ、マーゴ・ハミルトンが描かれたプログラムの表紙

3年間にわたる一大プロジェクト

指導者として、また監修者として、最大の貢献をされたダイアン・ヴァン・スクーア先生から、そのご苦労は聞き及んでいましたので、この日を一緒に迎えることは、私たちにとっても、大変な喜びでした。

会場には小さなシアターもあって、
ホールでの軽食の合間に、30分ほど、シアターに移動して、フィルムのほんの一部を鑑賞。

ダイアン先生はじめ、参加したダンサーたちのパネルディスカッションがありました。

フィルムにはダイアン先生の指導、ローランド先生の伴奏が全編にわたって収録されています。

そして、その難しいエクササイズに挑戦する両ロイヤル・バレエ団のダンサーたち。

美しいお手本が披露される度に、会場から拍手が沸いていました。

難しいエクササイズもあり、収録中のダンサーからは

「ミス・ダイアン、これは無理です!」

という悲鳴もあったということですが(特に男性!)、

そのダンサーからは後日、

アシュトンやマクミラン作品を踊るにあたり、

そしてまた古典作品を踊る際にも、

今回のチェケッティ・ディプロマのレッスンがどれほど役にたったかという感謝の気持ち」を

舞台の前にダイアン先生にメールで送ったそうです。

 

かのアンナ・パブロワがマエストロ・チェケッティの個人指導を受けていたことは有名な話ですが、

ワガノワ(ワガノワ・メソッドの発案者)やド・ヴァロワ(ロイヤル・バレエの創設者)など、後に指導者となった生徒たちの中にも、マエストロの信念は強く受け継がれています。

 

来年DVDとして全世界に発売される予定のチェケッティ・ディプロマは、
もともとプロのダンサーが舞台で踊るために考案されたレッスンです。

そのためエクササイズのほとんどは、今や古典と呼ばれる作品を踊るために考案されたものです。

逆に言えば、このエクササイズがきちんとできないと、古典の美しい振付を正しく踊ることはできないということになります。

(さらに言えば、アシュトンやマクミランなど、イギリスを代表するバレエ作品にもつながります)

もちろん美しいバレエは他にもたくさんあります。

決してチェケッティだけが正しいわけではありません。

そしてチェケッティが古典を踊るためだけのレッスンでもありませんし、

チェケッティができれば古典が踊れる、というわけでもありません。

 

でも、正確で速い足さばき語りかけてくる背中力強く優雅なポール・ド・ブラを、

流れるような音楽性をもって見せてくれるオーロラ姫ジゼル、白鳥や黒鳥たちに出合うと

涙が出るほど感動してしまうのは、やはり古典のもつ崇高な芸術性ではないかと思うのです。

 

(そんなことを観る側に勝手に言われて、
バレエ・ダンサーって、本当に大変だなと、
フィルムを見ながら、改めてため息をつくウェルズでした。)

 

そうそう、パーティではファンドレイジングのためのオークションも開かれて、

リゾートホテルやフリード工場プライベート見学と一緒に

エド・ワトソンとのプライベートディナーやロイヤル・バレエの新作「白鳥の湖」プレミア公演を舞台袖から見る、なんていうロットもありました。

 

ちなみに「白鳥」プレミア・ペアチケットは2000ポンド(約32万円)で落札

 

「あー、参加したかった!」って思われたあなた!

チェケッティ・ディプロマ日本講習会へのご協賛をぜひお願いいたします!!!
ご連絡はtoiawase@thewells.co.jp まで。

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