ダンスマガジンなどでも有名な舞台評論家 海野敏先生からの応援メッセージです。
先生は2014年ロンドンでの公演をウェルズと一緒にご覧になった数少ない日本人のおひとりです。
コンテってどういう風に観たらいいか分からない、って考えていませんか?
答えは渋谷で見つかります!
男性2人、あまりに素っ気ない動作の果てしない連続。
それなのに飽きない、何が起きるのか目が離せない、いつまでも見ていたい。ロンドンの小劇場で体験した『イディオット・シンクラシー』は忘れがたい。
イゴールとモレーノの仕草はキュートでお茶目、ときに悪戯っ子のように振る舞い、客席から笑い声が漏れる。
ほのぼのと暖かな気分になる作品である。2人のダンサーはスペインとイタリアで生まれ、ロンドンでコンテンポラリーダンスを学んでいる。
作品のコンセプトはいわゆるミニマリズムであるが、2人のユーモラスでとぼけた演技ゆえ、むずかしいことを考えずに見ても楽しい。
小さい子どもにも確実に伝わる楽しさである。
一方、「ダンスとは何か」を改めて考えたい人にも必見の舞台である。
(東洋大学教授 舞台評論家 海野敏)