2018年10月20日、21日に開催された
元ロイヤル・バレエ・スクール校長のダイアン・ヴァン・スクーア先生による
オーディション・インサイト。
スタジオ出張講習会と保護者のための英国バレエ留学説明会、
オーディションのためのビデオ撮影会・写真撮影会も同時開催され
多くの熱心な生徒さんたちと出会うことができました。
飛行機や新幹線を使って遠くからお越しいただいた方たちもいらっしゃいました。
今は指導者の方を指導されているダイアン先生のレッスン
長年の経験に加えて、最新の指導法に基づいた内容で
何度ご一緒させて頂いても毎回新しい発見があります。
参加された皆さんにはクラスごとに
ダイアン先生からのメッセージと講習会のポイントをまとめたメールをお送りしています。
これからのお稽古に生かしてください。
——
講習会の様子をご紹介します。
まず最年少 9歳から11歳までのジュニアAクラス。
このクラスはまだ、オーディションや留学は視野には入れているもの
憧れを現実にするために学んでいる生徒さんたちが対象です。
ロイヤル・バレエ・スクール ホワイトロッジではこの年齢の生徒さんたちは、ポワントを履く前のトレーニングの段階です。
その時点で身に着けておくべきことに重点を置いての指導になりました。
・ピアニストも一緒に呼吸をしながら演奏をしているのでダンサーも一緒に呼吸をしましょう。
(音楽を聴いて!と言われるよりも体の感覚で理解できるアドバイスです!!)
・手と足を同時に動かすことを忘れないで!(コーディネーション と何度もおっしゃっていました)
・フラットシューズ(バレエシューズ)の中でも足の指を丸めない(ポワントで立つ前に鍛える場所です)
・足首の関節の使い方を手を使って練習、それと同じことを足でできますか?(みんなでバイクに乗りました)
・アンデオールをするためにチェックする自分の体のポイント(どこに何ができていたらOKでしょう)
一人ひとりについて2日間本当にたくさんのアドバイスがありました。
そして中学生 13歳から14歳のジュニアBクラス。
このクラスは、海外のバレエ学校のサマースクールを目指していたり
どの国のどんなバレエ学校があるのかを考え始める時期でもあります。
近い将来にオーディションを受けるために
これからのトレーニングで必要なことについて
たくさんのヒントがありました。
すぐにできること、日々の積み重ねでできるようになること。
どこに目標を置いて努力をするのか。
・今から習慣づけておけばいざオーディション(入学、入団)で戸惑わないためのあれこれ。
・バレエ学校はどんな生徒を探しているのか。→オーディションに臨む姿勢
・例えば、ピルエットを美しく回るには具体的に何をどうすればいいのか。
・自分をどう見せたいか、しっかり考えてオーディションを受けるための準備について
・「健康な」ダンサーになるための注意
その生徒さんの今の状態にあった的確なアドバイスが続きます。
実際のオーディションではどういう風に進むのかのロープレも実践です。
日頃のお稽古の姿勢をきちんとしておくことが
オーディションに置いても普段以上のパフォーマンスを発揮できる秘訣なのかもしれません。
この秋からチャレンジが始まっている生徒さんもたくさん参加した シニアクラス。
自分をどう表現し、どこをアピールするのか。
バレエ学校なら 先生方にこの生徒を教育したい!と思ってもらうこと。
カンパニーなら このダンサーを使いたい!と思ってもらうこと。
まさに実践に照準を当てた指導です。
この年齢でオーディションを受けることを考えている生徒ならば
当然理解しておかなければいけないことができていない時は
容赦なく厳しい言葉も飛んできて、空気も一段と引き締まります。
ただ、それもダイアン先生の教育者としての想いからだということもひしひしと伝わってきました。
このクラスの皆さんには、
何よりも踊る気持ちが好きだということを表現してほしいこと
テクニックはもとより、日本の生徒さんが少し苦手だと思われる「表現」や「音楽性」について
繰り返しおっしゃっていました。
あとは、オーディション中に何をフォーカスすればいいのかについて
具体的で実践的なアドバイスの数々。
いまだに世界中のバレエ学校で教えるために世界中を飛びまわっていらっしゃる
ダイアン先生ならではの、
いつもと違う環境の場所へ行っても最適なパフォーマンスができるための知恵も。
最後に先生から贈られた、オーディションに臨む際に思いだしてほしい大切なこと。
「あなたの何を審査官に伝えようとすればいいのか」
「皆さんにまた来年ここで会えることを楽しみにしていますよ!」
とダイアン先生は次のお仕事先であるカナダに行かれました。
参加者の皆さんの健闘を祈ります!