オンラインプログラムの収録に協力してくれた3年生たちに、いよいよ最終学年を迎えた今の留学生活やこれから海外を目指す後輩たちへのメッセージを聞いてみました。
初回に登場する上田咲月さん(エルムハースト・バレエ・スクール 3年)は、日本国内で開催された エルムハースト・バレエ・スクールの日本講習会・オーディションに合格して英国に渡り、バーミンガム・ロイヤル・バレエ団の公演にも参加しています。また、2022年に開催されるローザンヌ国際バレエコンクールの本選出場も決定しました。
- エルムハースト・バレエ・スクールを受験した理由
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留学先にエルムハースト・バレエ・スクールを選んだのにはいくつか理由があります。
まず、私はイギリスのロイヤル・スタイルのバレエがすごく好きだったので、イギリスで学びたいとずっと思っていたこと。
そして日本で BRB( バーミンガム・ロイヤル・バレエ団 ) の「眠れる森の美女(スリーピング・ビューティー)」を見た時に、佐久間奈緒さん(※1)がオーロラ姫を踊られていて、それがすごく素敵で感動して、たくさん見てきた公演の中でもすごく印象に残っているものだったのでそのBRBの付属へということもひとつです。
あとは学校の設備もすごく整っていて、寮もあって3食ついています。メディカルセンターもあり、とにかく安心して留学することできました。
※注1 : 佐久間奈緒さんは現在、英国スタイルバレエ™講習会に講師として参加してくださっています。
- 留学を考えたタイミング
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私はたぶん周りの子達よりも遅かったと思うのですが、中学3年生に入った頃からは考え始めていました。それからは、もうたくさん色々な学校のオーディションを受けました。
- 日本にいる間に意識したこと
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バレエの面で言ったら、まず色々な学校のことを調べることです。
その学校がロイヤル・メソッドなのかワガノワ・メソッドなのかとか、上にカンパニーがついているのか、どんなレパートリーを踊っているのかなど、そのスクールについて調べました。オーディションを受ける前には、絶対に受けるスクールのカラーだったりを調べて、例えばその受けるスクールのメソッドがワガノワだったら足も高く上げたりとかすることを要求されると思うので、いつもよりも入念にストレッチしたりとか、メソッドや内容に合わせた体づくりをしていました。
あとは、英語にすごく他の教科よりも力を入れて頑張っていました。 特別に英語の学校に通っていたとかそういうわけではないんですけど、中学の英語の授業は絶対に毎回100点を取る、という意気込みで全部完璧に覚えるぐらいの勢いで頑張って
勉強しました。それは入ってからもすごく役に立ったので、やっておいてよかったなと思いました 。 - 留学して感じたこと
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エルムハーストでは、たくさんの種類の踊りを学ぶことができています。それは本当に素晴らしいことです。 たくさんのジャンルを学ぶことが、いろんな表現につながっていっていると思います。今はバーミンガム・ロイヤル・バレエの公演に出させていただく機会も多く、(通常では)経験できない本当に素晴らしい経験をさせて頂いていると、心から感謝しています。
- 学校に入って大変だったこと
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英語はがんばって勉強してから行ったんですけれど、やっぱり全然最初はできなくて、友達とうまく話せなかったりしていました。1年目はとにかく英語に苦労しました。
でもだんだん英語や生活にも慣れてきました。今は最終学年なのですが、最終学年はとにかくスケジュールが忙しすぎてそのスケジュールをこなすのが本当に大変です。
【ある日のスケジュール例】
8:30 クラスバレエ(2時間)クラスパ・ド・ドゥ(1時間)昼食クラスジャズ(1時間)・コンテ(2時間)休憩~リハリハーサル(2時間)カンパニーのリハの日は、休憩時間のうちにみんなで学校からカンパニーまで移動してリハーサルに参加します。
18時終了 夕食すぐ帰る日もありますが、自主練をして帰ることもあります。
去年までは、アカデミックの授業があったので少し座っている時間もありました。
なので体力的にはもうちょっとは楽だったんですけど、今はもうその時間もすべて踊りの授業になっている感じです。とにかくひたすら踊り続けています。 - 今の中学生たちにメッセージ
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がんばっていても、辛いこととか苦しいことはたくさんあると思います。
人生は山あり谷ありで、いい時もあればつらい時とかもあると思うんです。
つらいときにも続けていれば絶対に良いことは起きると思うので、皆さんもがんばり続けてください
現在最終学年の上田咲月さん。他の現役3年生たちと一緒に、バレエ留学後の就職活動についてバレエ・ブラックの市川爽さんに直接質問しています。「英国バレエ・ブラック現役ダンサーが語る:英国バレエ留学と就職活動」はオンライン・プログラム第7回です。