ダンス学生のためのメンタルサポートシリーズ その4
今回は、とくにヨーロッパの緯度の高い地域に留学している皆さんに向けての記事
冬季うつ ウィンターブルー について
臨床心理士TOMOKOがお届けします。
<冬期うつ・ウィンターブルー>
こんにちは、 TOMOKOです。
イギリスの留学生の皆さんはハーフタームが待ち遠しい時期、いかがお過ごしでしょうか。
ロンドンの冬を初めて体験されている学生さんもいらっしゃると思います。
ロンドンの冬はクリスマスの飾りやイルミネーションで賑わっている印象もありますが
一方で冬は特に寒くて暗く、うつ病になって帰国する人も少なくないという話も耳にします。
今日は「冬期うつ」について考えてみましょう。
「ウィンターブルー」ともいって、寒い時期に「うつ」になることです。
「うつ」というのは、
ゆううつな気分になる
何事も楽しく感じられない
些細なことがおっくう
などの「気持ちの落ち込み」を指します。
それに伴い、
頭痛が出たり、
寝つきが悪くなる、
集中力が続かない、
食欲が落ちる、
全身の倦怠感(だるさ)
があるなどの症状が出てきます。
このような状態が長く続き
生活に支障が出てくると
「うつ病」
にもつながります。
さて、この「うつ」は気候や寒さととても関係があります。
誰でも天気の悪い曇りがちの日は気分がどんよりし、晴れた日は爽快な気分になるでしょう。
それは日光自体に人間の気分をよくさせる作用があるからです。
「冬期うつ」というのは、その名の通り
日照時間の少ない冬の時期だけ「うつ」の症状が出ることです。
日照時間の短さとストレス(前回のブログもご参照ください)が原因で、
10月〜11月頃から憂うつな気分が始まり、
翌年2月〜3月くらいになると収まってくると言われています。
「冬期うつ」の症状は通常の「うつ」と少し違って
「過眠(眠りすぎ)」と
「過食(食べ過ぎ)」
の傾向が出てきます。
何時間寝ても眠かったり、食べ物は特に甘いものや炭水化物がほしくなるなどがあります。
(筋肉量をキープしなければいけないダンサーの皆さんは要注意 ですね)
このような「冬期うつ」を予防する方法はあるのでしょうか。
日中室内にいてバレエのレッスンをしている皆さんは、太陽の光を浴びる機会が少ないので特に注意しましょう。
「最近、意欲が出なかったり、なんだか気分が落ち込むぁ」と感じたときは
意識的に太陽の光を浴びることが大切です。
日常的な工夫としてできることは
- 朝は必ずカーテンをあけて朝日を浴びる
- 朝日が浴びられるよう窓際に寝る
- 天気の良い休日は近くの公園に散歩にいったり、外で過ごす時間を多くする
- 太陽光だけでなく人工的な光も有効なので、部屋を可能な限り明るくする。
- 身体を冷やさないようにする。レッスンの合間にこまめに上着を着たり、足を温めるレッグウォーマーなどをお忘れなく。
- 飲み物はなるべく暖かい飲み物にする
「冬期うつ」を予防するために、このような工夫すべてをすることはありませんが、
寒い間はできるだけ身体をあたためて、快適にお過ごしださいね。
TOMOKO でした
長いくらい寒い冬の後に一斉に春が来る時の喜びと言ったら、もう表現できないくらい!
とイギリス暮らしの長かったスタッフは口をそろえます。