既に一度ホランド・パークで観ているロイヤル・バレエ・スクールの学校公演ですが、本番はやはりこのオペラハウスでの最終公演。
ウェルズもラストミニッツでチケットを手に入れて行ってきました!(前半は1階から、後半はバルコニーから見ましたよ!)
ウィンザー王家とエリザベス2世の紋章の入った緞帳演目はほとんど前回と同じですが、ステージが広い分、少しずつ振付が異なるところも散見されました。もちろん生徒の皆さんも、プロのように堂々として、そして心から大きな舞台での踊りを楽しんでいる様子が伝わってきます。
ヴァン・マーネンの作品「ソロ」そして、何と言っても、ここではライブミュージック!!
オーケストラの響きが心地よく、大きな会場を埋め尽くします。
演奏は「ロイヤル・バレエ・シンフォニア」
指揮はポール・マーフィー氏です。
マクミランの「コンチェルト」では、ショスタコーヴィッチのピアノ協奏曲第2番が使われますが、大迫力の演奏でした。やはりこういう演目は生演奏だと、ダンサーの表現力もさらにパワフルになりますね!(ピアノはバーミンガム・ロイヤル・バレエの首席ピアニスト、ジョナサン・ヒギンズ氏による演奏)
もうひとつの違いは照明。
照明ひとつで、同じ作品でもこんなに変化するんだっていうことを教えてくれました。
ディディ・ヴェルディマンの「See Blue Through」は、海の中という設定ですが、ダンサーを照らすのは横からのライトのみ。
上から吊るされた何枚もの大きさと角度の異なるステンレスの板に照明を当てることによって、床に映る反射が、水底に映る光の揺蕩う様子を表しています。
ステージ上はかなり暗いはずなので、ダンサーの二人は殆ど相手が見えていないかもしれません。
複雑なリフトや絡み合うデュエットの連続を目をつぶってでも踊れるくらい、踊りこんでいる様子は明らかです。
2年生なのに、、、すごい、です。
そして今日、初めて見るバレエがありました。
ブルノンビル振付「The Conservatory (The Dancing School)」です。
プログラムによると、初演は1849年、ブルノンビルがご自分が1820年代に学んだパリのコンセルバトワールを舞台に、バレエ学校のクラスの様子を描いた作品です。
衣装もセットもドガの「ダンス教室」の風景そのもの。
センター、バー、センター、アンシェヌマンとレッスンが進んでいきます。
ダンサーは7年生(11才)、10,11年生、そしてアッパースクールの1年生は教師役でパ・ド・トロワを披露。
15分ほどの小品でしたが、なんだかとっても幸せな気分になる作品でした。
そして最後はやっぱり「デフィレ」
パリのオペラ座バレエ学校が有名ですが、こちらは学年それぞれの色に分かれたレオタードやユニタード。アッパースクールの女性はボンも付けます。
ウェルズのサポートするロウアースクール9年生、石川倫くんの姿も見えました!
休憩を挟んで約2時間半、技術だけでなく表現者としてのキャリアを目指すダンサーばかり。
学校公演を超えた「ガラ公演」のように充実した楽しい公演でした!
(2017年7月9日:ロンドン、ロイヤル・オペラ・ハウス)
卒業生の進路(卒業生23名全員が決まっています。)
ロイヤル・バレエ団:1年間の若手ダンサープログラム6名
バーミンガム・ロイヤル・バレエ団:本契約3名、研修生1名
イングリッシュ・ナショナル・バレエ団:本契約1名
スコティッシュ・バレエ団:本契約2名
バイエルン国立バレエ団:本契約1名、セカンドカンパニー2名
ドレスデン州立バレエ団:本契約2名
その他、アイルランド・バレエ団、オランダ国立セカンド、ヒューストン・バレエ団、オーランド・バレエ団、ウルグアイ・バレエ団