オーディション・インサイト 2019

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【ロンドン公演レポ】ホフェッシュ・シェクター2(ジュニアカンパニー)

2017年に構成された
ホフェッシュ・シェクターの
ジュニアカンパニー公演「SHOW」を観てきた。

リリック劇場(ハマースミス)駅の目の前にありとても便利。テラスもあって快適です。

開始5分くらいは、
お決まりのシェクターのムーブメントで始まり。
背中を丸め手を少し上に上げて進む、
その独特なムーブメントは、
ややもすると徳島の阿波踊りみたい。

ただ重心はあくまでも下にあり、
上半身は脱力していることが多い。
ホフェッシュは一言でいえば、
COOL(カッコいい)」

ブレイク作品となった
Political Mother(ポリティカル・マザー)、
↑いよいよ日本公演のウワサ!

そしてSUN(サン)と立て続けにヒットを飛ばして
確実にファンを増やし、
2016年のロイヤル・オペラハウスの
新作オペラ「オルフェオ」では、
長編オペラに振り付ける偉業
(これは実に面白かったし、
オペラファンならずも観に行く
多くのダンスファンを魅了した!)

会場のリリックシアター(ハマースミス)は小さいながらプロセニアム式のしっかりした劇場

2017年にはGrand Finale(グランド・フィナーレ)では、
「え?引退するの?」なんていう憶測をよそに、
その大げさな題名に相応しい
人々の人生の終焉を見せてくれた。

「グランド・フィナーレ」は
ダンサーにとっては青あざが絶えない
過酷な舞台だと思う。

全身の力を抜いて床に倒れる、
そして引きずり回されて踊らされる死体
という振付が強く印象に残る作品だった。

きっと今のホフェッシュの流行りは
「骸(むくろ)」
なんだろう。

ジュニアカンパニーの面々も、
たくさんアザを作らされていた!

シグニチャーのムーブメントは
最初の数分と、
時々現れる群舞。
いやあ、かっこいい。

でもこれだけではアザはできません!

首を切られる者、
猟銃で撃たれる者、
首を捻られ
その場に崩れる者。
全ては「SHOW」の一部。

一度殺されても
「立ち上がって、隣のダンサーを撃ち殺す(または首を切る)」
を繰り返すシーンが果てしなく続くが、
まるでアメリカのTVシリーズ
「ウォーキング・デッド」を見ているよう。
(もちろん立ち上がるのはゾンビではなくて、
それまでと同じ普通の人間)

ホフェッシュ・シェクター2のメンバーは8名の精鋭

連続殺人現場の合間には、
ゾクゾクする低いビートに合わせた群舞もあり、
たった8人のダンサーだとは思えないほど迫力満点。

DJミュージックの好きな世代には、
たまらない振動が身体中に届く。

そして、やがて観ている自分が
その「連続殺人現場」を楽しんでいる
っていうことに気が付くという
とんでもない始末。

「誰が一番殺されるの上手いかな」
「次はどうやって殺すのかな」
「SHOW」だから
最後はみんな生きかえって、
おじぎ。

これで終わりかと思ったら、
最後にオマケがあった。

マーベル好きなら映画本編が終わっても席を立たないのと同じで、
楽しい部分はエンドクレジットの後にあるっていうわけ。

大きな男性ダンサーが舞台の真ん中に立っている。
その後ろには、
隠れるように小さな女性ダンサー。

私はまた、
「どうやって殺すのかな?」衝動に駆られ、
「楽しんで」いる。

もちろん時折、
ジュニアのダンサーたちに重なって
脳内でメインカンパニーのダンサーの姿が見え隠れする。

そうすると更に深みと厚みのある作品が
想像できるんだけれども、
それはそれ。
とても力強い作品で、
ジュニアカンパニーらしい若い力が
存分に伝わる作品だった。

嬉しかったのは
LCDS(ロンドン・コンテンポラリーダンス・スクール)の卒業生が
3名も名を連ねていたこと。

厳しいオーディションを勝ち残っただろうことは容易に想像できるが、
身体能力も高く、
柔軟性と力強さに富んだダンサーたちだった。

フランス人のダンサーを挟んで、ベルギーのP.A.R.T.S.から応援に駆け付けた友人と。仲間っていいよねて思う瞬間。

数年前にホフェッシュや
アクラム・カーンが痛恨のダメ出しをした
「イギリス・コンテンポラリーダンス教育」から
当の本人がダンサーを採用したところを見ると、
イギリス人も「悪くない」って思ってくれたんだろうか。

もちろんフランス、スペイン、イタリアからも
ダンサーが参加。
これもいかにもロンドンらしい。

実はイギリス初演作品の「SHOW」は、入場ーピエロ―退場の3部からなる