あのジョージ・バランシンの愛弟子、ビル・グラスマン。
アメリカン・バレエ・シアターでは
ジェローム・ロビンズの作品をいくつも初演するという
今では伝説的な存在でもあります。
現役引退後はイギリスに渡り
ロイヤル・バレエ・スクールでは
初めてのアメリカ人バレエ教師として、19年間の長きにわたり、指導をされてこられました。
そのことは、彼がどれほど素晴らしい教師であったかということの証明にほかなりません。
ダーシー・バッセル、エド・ワトソン、ジョナサン・コープと言えば、
ロイヤル・バレエ・スクールを卒業し、
ロイヤル・バレエ団で一時代を築き上げた超一流のプリンシパルたち。
彼らもみな、グラスマン先生を恩師と仰ぎ、会えば昔話に花が咲きます。
「厳しいトレーニングの毎日で、ビルだけが褒めてくれた。そしてそのお蔭でバレエを続けることができたんだ。」とは
現ロイヤル・バレエ団バレエマスターの
リカルド・セルヴェラが語ってくれた言葉です。
日本を見れば、熊川哲也氏、そして貞松正一郎氏も
みなグラスマン先生の教え子たちです。
ウェルズはグラスマン先生の近くで仕事をする多くの機会に恵まれてきましたが
日本に来れば、それぞれのカンパニーのレッスンへ招待するほど
今でもやはり師と仰ぐ姿が見られます。
数年前にグラスマン先生と貞松先生のスタジオへお邪魔した際には
団員と一緒にレッスンを受け
誰よりも見事なトゥールをグラスマン先生の前で決めていらした貞松先生がとても印象に残っています。
グラスマン先生のレッスンは決して派手ではありません。
ミラクルという表現も似合いません。
静かに、でも的確に指導が進んでいきます。
どんなに広いスタジオでも、生徒たちの目がグラスマン先生を離れることがありません。
その魅力を言葉で表現することは難しいのですが
教わる皆さんが口を揃えて「もう一度受けたい」と仰るレッスンであることは、間違いありません。
「グラスマン先生に教えて欲しいから、入学しました。」
セントラル校時代には、何度も聞いた言葉です。
3月17日(土)~18日(日)には、
オーランド・バレエ・スクールのサマースクール・オーディション兼講習会のために、お忙しいスケジュールの中、来日されます。
講習会だけの参加も可能。
また、オーランドのサマースクールでは、第3週目から最後のパフォーマンスまで、グラスマン先生の指導クラスがあります。
詳しいご案内は、こちらから。