留学生や若いダンス学生のためのメンタルサポートについての記事をシリーズでお伝えする 第2弾。
今回は誰もが直面する「体重管理」について。
特に「減量」に焦点を当てています。
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2021年9月、記事の内容に追記をしました。
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毎年秋に開催されている、オーディション合格のための講習会。
元ロイヤル・バレエ・スクール校長 ダイアン・ヴァン・スクーア先生による「オーディション・インサイト」でのお話。
オーディションを受ける際の心得についてのセッションの際に、「thin」と「slim」の違いについてのお話がありました。
どちらも似たような意味合いにとれますが、「オーディションの審査員は thinダンサーはとりません。slimダンサーを選びます」と。
thin= 細い・痩せた・やつれた 少しマイナスのイメージ
slim= すらりとした・ほっそりした プラスのイメージ
つまり、「体重」そのものを落とすことだけに気をとられてはいけないということ。
変化が一番わかりやすいのが体重なので、体重計の数字そのものを目安にしがちですし
今までスタジオの先生にそれを厳しく指導されてきた生徒さんたちが多いのも事実です。
でも、これが意外と落とし穴なのです。
最近あるアイスフィギュア選手のドキュメントが放映され、
減量から病気になってしまった経験が語られていました。
彼女は減量に集中しすぎて、ご飯が食べられなくなり、
演技ができなくなるほど痩せほそってしまったと話していました。
「美しく跳ぶためには、痩せなくてはいけない」と自分を追い込んでしまったようです。
食べずに痩せるのではなく、
必要な栄養をとって健康的にやせる。
言葉でいうと簡単ですが、ダンスの勉強をしている皆さんにとってはその難しさは身に染みているのではないでしょうか。
好ましい痩せ方はダンサーの永遠のテーマですね。
ここで、少し「拒食症」のお話を。
皆さんも保健体育や家庭科の授業などで聞いたことがあるのではないでしょうか。
ダンサーとして美しく痩せたいと思うのは万国共通。
ですが、食事を食べないで痩せていったら、
その内ご飯が思うように食べれずにどんどんやせ細っていって、
病気になってしまうことがあります。
成長期に必要な栄養をとらなかったり、踊るのに必要な栄養をとらないでいると、何が起こるでしょう?
骨がもろくなる。
生理が止まる。
精神的に不安定になる
そして、あまりにも栄養をとれなくなってしまうと身体的な不調だけでなく、
精神的にも、まいってしまうということが起こってきます。
一部の研究では脳の萎縮にまでつながるケースもあるということです。
ここまでの極端なケースはあまりありませんが、
皆さんがダンスのために減量をする時には十分な注意が必要です。
日本で親と一緒に住んでいる時は、親御さんがしっかりと考えてくださった栄養のバランスが取れた食事を摂れているかもしれませんが、
学校の寮などに入って自炊となると、自分で栄養バランスをとる必要がありますね。
料理は 買い物から始まり後片付けまでの連続、それも一日3回!!
それだけで大仕事。
でもダンサーにとっては食べることも立派なトレーニングのひとつです。
空いた時間に周りのお友達と
食生活の話をしてみると良いかもしれません。
朝昼晩とどのようなメニューで食事をとっているかを振り返る機会を
是非もうけてみてください。
もしかしたら、写真に残しておくと客観的に振り返ることができるかも。
最近は便利なアプリもあるようです。
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イギリスのバレエ学校では、1年生の最初の週から、栄養学や解剖学が始まります。
学校でもダンサーの栄養管理を重要視していることが分かります。
体重管理は一日にしてならず。
ダンサーにとって、身体は資本です!
カロリーが同じだからと言って、夕食の代わりにチョコレートやお菓子を食べてる人はいませんか?
ぜひぜひ、今日からダンサーとして踊り続けられる体を作るメニューを考えてみてくださいね。
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このシリーズの筆者であるThe Wells スタッフのTomoko は帰国子女で臨床心理士として長く医療機関で働いていた経験もあり、現在子育て中の母でもあります。
日々のサポート業務を通じて学生さんやご家族と接している中で、きっと知っていれば少し楽になることがたくさんあるのよね、という想いからのこの連載。
送り出すご家族も、留学中の学生さんも、将来のことを考えている学生さんも、みなさんの助けになりますように。