英国バレエ学校のオーディション、先生たちは何を見ている?

★コンクールでは見えない可能性を探す対面オーディション★
Audition Insightから学ぶ、オーディションへの準備と心構え

英国のバレエ学校への留学を目指す皆さんにとって、オーディションは大きな挑戦です。

  • 「どのくらいのテクニックが必要なのだろう?」
  • 「難しいアンシェヌマンについていけなかったら?」
  • 「コンテンポラリーの経験が少なくても大丈夫?」
  • 「緊張して失敗してしまったら、評価が下がるのでは?」

初めてオーディションを受ける方はもちろん、何度か経験したことのある方でも、不安や疑問は尽きないと思います。

英国の主要バレエ学校では、受験生が安心してオーディションに臨めるよう、Audition Insight(オーディションの理解を深めるプログラム)やAudition Preparation(オーディション準備)といった動画やガイドを公開しています。

そこから見えてくるのは、英国の学校が求めているのは、単に「今、上手に踊れる生徒」「コンクールで上位入賞する生徒」だけではない、ということです。

今回は、英国バレエ学校がオーディションで重視すること、準備しておきたいこと、そしてThe Wellsが日本で開催する講習会形式のオーディションについてご紹介します。

1. オーディションで見られるのは、テクニックだけではありません

英国の名門、ロイヤル・バレエ・スクール(The Royal Ballet School)は、公式ウェブサイトでオーディションに関するアドバイスを公開しています。

その中で学校が重視しているのは、自校のトレーニングを通じて成長できる可能性を持った生徒であること。

芸術性や音楽性はもちろん、自信、粘り強さ、高いレベルの教育環境で学んでいける資質など、さまざまな要素が挙げられています。

これは、オーディションを考えるうえで、とても大切なポイントです。

バレエ学校は、すでに完成されたプロのダンサーを採用する場所ではありません。これから数年間にわたって専門的な教育を受け、成長していく生徒を選ぶ場所です。

もちろん、基礎テクニックや身体的な適性は重要です。しかし、それだけでなく、音楽をどう感じ、身体をどう使い、どのように踊りを表現するのかも見られています。

そして、もう一つ大切なのが「学ぶ力」です。

2. 先生からのアドバイスを、どう受け止めるか

オーディションでは、先生から新しいアンシェヌマンを教わったり、動きについて修正を受けたりすることがあります。

そのときに大切なのは、最初からすべてを完璧にできることだけではありません。

例えば、先生から「もっと音楽を使って」「上半身を自由に」「動きのつながりを意識して」とアドバイスされたとします。

その言葉を理解しようとしているか。次に踊るときに、何かを変えようとしているか。

こうした反応から、先生方は受験生の学ぶ姿勢や吸収力を知ることができます。

初めての動きがうまくできなかったとしても、すぐに諦める必要はありません。

大切なのは、指導をよく聞き、理解し、自分の身体で試してみること。

オーディションは、できることを披露するだけでなく、新しいことを学ぶ場でもあるのです。

3. なぜ、The Wellsの日本オーディションは講習会形式なのか?

The Wellsでは、2014年にセントラル・スクール・オブ・バレエの日本講習会・オーディションを開催して以来、英国の学校の先生方から直接指導を受けられる講習会形式を大切にしてきました。

その理由の一つが、まさに「学ぶ姿勢」や「吸収力」を見ていただくためです。

短時間の審査だけでは、その日の緊張や体調によって、本来の力を十分に発揮できないこともあります。

一方、講習会を通じて先生から指導を受ける機会があれば、受験生が新しいことをどのように学び、理解し、実践していくのかを見ることができます。

2日間のプログラムでは、初日に学んだことを翌日に生かす機会も生まれます。

もちろん、開催日数や審査方法は学校・会場によって異なります。東京で2日間開催する学校もあれば、大阪などで1日開催する学校もあります。

また、講習会とオーディションを同じクラスで行う学校もあれば、別のクラスとして実施する学校もあります。

いずれの場合も、学校の先生方から直接指導を受けられることは、受験生にとって大きな経験となります。

さらに、講習会では学校の指導方法やクラスの雰囲気に触れることができます。

オーディションは学校が生徒を選ぶ場ですが、生徒自身が「この学校で学びたいか」を考える機会でもあるのです。

4. コンテンポラリーや即興も、恐れずに挑戦してみましょう

英国のバレエ学校では、クラシックバレエに加えて、コンテンポラリーダンスや即興、レパートリーなどを審査に取り入れる学校があります。

例えば、セントラル・スクール・オブ・バレエでは、ビデオオーディションの案内でもクラシックバレエとコンテンポラリーの両方が求められています。

ランベール・スクール・オブ・バレエ・アンド・コンテンポラリー・ダンスでは、クラシックバレエとコンテンポラリーの双方を重視した教育が行われています。

日本ではクラシックバレエを中心に学んできた生徒も多く、コンテンポラリーや即興に苦手意識を持つ方もいるでしょう。

しかし、経験が少ないからといって、最初から諦める必要はありません。

新しい動きに出会ったとき、どのように身体を使ってみるか。音楽や空間をどう感じるか。慣れない動きにも積極的に取り組めるか。

こうした経験は、クラシックバレエの表現を広げることにもつながります。

ただし、学校によってはコンテンポラリーの技術や経験も重要な審査対象となります。志望校のカリキュラムや審査内容を事前に理解し、できるだけ幅広い動きに触れておくことをおすすめします。

5. オーディションまでに準備しておきたいこと

では、実際にオーディションに向けて、どのような準備をすればよいのでしょうか。

普段のレッスンを大切にする

特別な技や難しいヴァリエーションを増やすことだけが、オーディション対策ではありません。

正確なポジション、身体のアラインメント、音楽との関係、動きの質、そして基礎的なテクニック。

日々のレッスンで積み重ねてきたものが、オーディションでは自然に表れます。

ロイヤル・バレエ・スクールのAudition Preparationでも、オーディション前だからといって普段のトレーニングを大きく変えるのではなく、いつものレッスンを続けることが勧められています。

アンシェヌマンを覚える練習をする

オーディションでは、初めて見るアンシェヌマンを短時間で覚え、踊ることが求められます。

普段から先生の説明をよく聞き、動きの順番だけでなく、音楽や身体の使い方まで理解する習慣をつけましょう。

間違えてしまっても、途中で諦めず、落ち着いて踊り続けることが大切です。

アドバイスを実践する習慣をつける

先生から注意されたことを、次の順番ですぐに試してみましょう。

すぐに完璧に直せなくても構いません。理解しようとすること、変化させようとすることが大切です。

これはオーディションだけでなく、留学後の毎日のレッスンでも必要になる力です。

体調を整え、余裕を持って参加する

十分な睡眠と食事をとり、身体のコンディションを整えておきましょう。

当日は時間に余裕を持って会場に到着し、適切にウォームアップを行ってください。

レオタードやシューズも、できるだけ普段から使い慣れたものを選ぶと安心です。ただし、慣れているからといって、傷みの目立つシューズはおすすめできません。せっかく美しく伸びた足先も、汚れた靴裏が見えると印象が損なわれてしまいます。

オーディション直前に無理な練習を重ねるよりも、心身ともに良い状態で参加することを優先しましょう。

6. 英語が得意でなくても、先生の指導をよく見て

英国の先生によるオーディションでは、当然ながら英語で指導が行われます。

英語に自信がない方は、それだけでも緊張してしまうかもしれません。

The Wells主催の日本オーディションでは必要に応じて日本語の通訳が入りますので、ご安心ください。

また、バレエには世界共通の用語や身体を使ったコミュニケーションがあります。

先生の言葉だけでなく、デモンストレーションやジェスチャー、音楽にも注意を向けてみてください。

また、普段のレッスンで使われる英語の表現に少しずつ慣れておくことも役立ちます。

もちろん、英国の学校で学ぶためには、入学後の授業や生活に必要な英語力を身につけることも重要です。学校やコースによっては、入学やビザ取得のために一定の英語資格が必要になります。

オーディションの準備と並行して、英語の学習も進めていきましょう。

7. 日本で英国バレエ学校の先生に出会うチャンス

英国のバレエ学校への留学を考えていても、オーディションのために渡英することは、時間的にも経済的にも大きな負担となります。

The Wellsが開催する日本講習会・オーディションでは、英国の学校の先生方から直接指導を受け、国内で審査に参加することができます。

また、学校によっては、講習会のみの参加も可能です。

まだ留学を決めていない方や、将来の進路として英国のバレエ学校に興味がある方にとっても、学校の指導方法を知る良い機会になるでしょう。

2027年入学に向けて、The Wellsでは以下の日本講習会・オーディションを開催します。

学校開催日・会場
セントラル・スクール・オブ・バレエ2026年11月14日(土)・15日(日) 東京/11月17日(火) 大阪
イングリッシュ・ナショナル・バレエ・スクール2026年12月12日(土)・13日(日) 東京
ランベール・スクール2026年12月20日(日) 東京
エルムハースト・バレエ・スクール2027年1月9日(土)・10日(日) 東京
アコスタ・アドバンスト・トレーニング・ハブ(AATH)2027年2月20日(土)・21日(日) 東京/2月23日(火・祝) 大阪

各校の対象年齢、クラス内容、審査方法、申込締切は異なります。

詳しくは、The Wells 日本講習会・オーディション案内をご覧ください。

8. オーディションは、自分の可能性を発見する機会

オーディションに合格することは、もちろん大きな目標です。

けれども、その結果だけがすべてではありません。

初めて出会う先生から指導を受けること、いつもと違う環境で踊ること、新しい動きや表現に挑戦すること。

その一つひとつが、ダンサーとして成長するきっかけになります。

また、英国のバレエ学校は、それぞれ教育方針やカリキュラム、目指すダンサー像が異なります。

ある学校の審査結果が、その生徒のすべての可能性を決めるわけではありません。

大切なのは、自分の個性や目標に合った学校と出会うことです。

オーディションを「失敗してはいけない試験」と考えるのではなく、「自分の可能性を知り、新しいことを学ぶ機会」として捉えてみてはいかがでしょうか。

英国の先生方との出会いが、皆さんの新しい一歩につながることを願っています。

The Wellsは、日本で挑戦する皆さんを応援しています。


参考資料

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