例年とは全く異なる様子で始まった、
イギリスのバレエ学校。
今回は、イングリッシュ・ナショナル・バレエ・スクールの2年生、
石川倫くんから報告が届きました。
こんにちは。
今年9月からイングリッシュナショナルバレエスクール2年生になりました、石川倫です。
前回のレポートではコロナウィルスの影響で日本に一時帰国中でしたが、幸いな事に9月からイギリスに渡航し、無事1学期を終える事が出来たので、この間の様子をお伝えしたいと思います。
学校生活が再開したとはいえ、イギリスでのコロナウィルスの影響は大きいものです。
その為色々なルールが追加されていたのもあり、新しい環境に慣れる為に少し苦労しました。学校側も十分な対策を踏まえ始まった2年生、楽しみと緊張と共に始まった新学期でしたが、半年間会えなかった仲間や友達、新入生とも会えとても嬉しく、安心しました。
≪コロナ対策≫
今年の9月から追加されたルールの1つは、登校前の体温検温、健康状態の申告です。
学校に導入されたサーベイアプリを利用し、体温・コロナウィルスの症状・一般健康状態を入力し、朝8:30までに学校にデータを送らなければいけません。
この他にも、
・登校時、学校スタッフによる検査
・スタジオや更衣室での人数制限
・クラス前後スタジオ内の換気
・スタジオの床に2m四方のテープを貼り距離を保つ
・スタジオの出入口、廊下に消毒液を設置
以上の様な注意を払っています。
≪変化≫
去年と比べタイムテーブルは大きく変わり、全ての授業は感染予防の為に男女別クラスになりました。
更にスタジオの広さによっては、バレエクラスのグループを2つに分けることもあります。
1番の変化はパ・ド・ドゥ クラスが無くなってしまった事。
来学期には同クラスが始まるとの事ですが、感染状況によって判断される事になります。
もちろん学校にいる間はマスクは必ず付ける事を、先生方や僕達もしっかり守っています。
そしてとても残念だったのは2年生にとって大イベントであるMy First Balletも中止になってしまった事。バレエの作品(今年の予定では白鳥の湖)を一幕にまとめ、小さな子供たちにも解りやすく見てもらえる、ナレーション付きのバレエ公演です。
実際にカンパニーと同じようにイギリス全土の色々な劇場で踊る経験をできる貴重な機会が失われてしまった事は残念です。
≪アセスメント≫
11月5日にイギリスのロックダウンが始まり、街の様子が大きく変わりました。
お店やレストラン、普段見られるイルミネーションやマーケットも閉まっており、少し心細く感じました。
幸い学校は通常通り行われ、2年生初めのアセスメントを迎えました。
クラスメイトも去年と比べると増え、練習中にはとても良い刺激をもらえました。
久しぶりの試験でもあり少し緊張しましたが無事終える事ができました。
試験後、ヴィヴィアナ・デュランテ校長先生や担任のデイビット・ヤオ先生からフィードバックを頂いたので、来学期の進級試験に向けて修正して行きたいと思います。
≪ウィンター・ショウケイス≫
ウィンター・ショウケイスは毎年12月に行われるパ フォーマンス・イベントです。今回も昨年お世話になったアンドリュー・マクニコルさんが作品を作ってくださいました。今年はコロナの影響により男女別々に踊ってる振付になっています。
こちらも感染予防により、バレエの作品に出演できたのはおよそ半分の生徒です。
僕は幸いな事に躍らせて頂く事ができました。こうして舞台に立ったのは去年の12月ぶりでした。懐かしいような新鮮なような、やっぱり舞台で踊ることは楽しいです。
去年はイングリッシュ・ナショナル・バレエ団のプロダクション・スタジオで2日間公演を行いましたが、今回は無観客でパフォーマンスを行いその撮影と編集にBallet Boyzの方々が参加してくださいました。撮影場所もロンドンでも有名なラウンドハウスというパフォーマンス・シアターを使ってとても美しい映像になっていると思います。
この映像は12月21日から学校のウェブサイトにて公開されています。来年の1月15日までご覧になれるので是非見てください。
http://www.enbschool.org.uk
https://youtu.be/rJEO_gu2JpI (音声が出ます)
≪感謝≫
あっという間に感じた2年生の1学期。
去年より時間の流れが早く感じる事が多く、毎日の貴重な学校生活を大切に過ごしたいと思いました。無事に1学期を終える事ができたのは自分1人の力ではなく、友達や家族、ガーディアンさんや学校の先生方やスタッフの皆さんのお陰だと強く思います。ありがとうございます。
特に僕の担任のヤオ先生には感謝の気持ちでいっぱいです。
小さな頃から先生の元で教わりたかった願いが叶い、毎日のクラスが最高に楽しいですし、先生の優しさ、厳しさはもちろん、ご自分のキャリアで身につけて来た事を惜しみなく教えて頂き幸せです。
僕のガーディアンさんご家族にも感謝の気持ちでいっぱいです。
今年の9月、食事に誘って頂き、それ以来会える機会がなかなか作れず、クリスマスにまた会える予定でしたが、現在のイギリスのコロナウィルスの状況により難しくなってしまいました。
そんな時、学校のパフォーマンスを見て下さったと連絡を頂き、嬉しそうなガーディアンさんのお子さんの姿を見て会いたい気持ちで胸がいっぱいになりました。
このブログを見て下さった皆様も大変な状況が世界中で続いていますが、安全にこの冬をお過ごし下さい。
石川倫
「舞台で踊ること」
それをどんなに待ちわびていたことかが、観ている私たちに感動を与えるショウケースでした。そして才能溢れながら、いつも周りへの感謝を忘れない倫くんの姿勢に、サポートする私たちも背筋が伸びる思いです。
1年の終わりに、素晴らしいレポートを読者の皆さんへお届けすることができました。
倫くん、ありがとう。