現役イギリス・バレエ留学生に聞く!「コンテ、やっといいた方がいいよ!」Vol.3 ~英国コンテンポラリー

「え?コンテンポラリー・ダンスをやるってそういうこと???」

さて、ウェルズが総力を挙げてお届けしている「コンテ、やっといた方がいいよ!」シリーズ第3弾です。

バレエに比べて自由な動きの多いコンテンポラリー・ダンス。上へ上へと引き上げ、姿勢よく、常にラインを気にして鏡を見るバレエ学生さんたちにとって、コンテンポラリー・ダンスの重心を下へ押し下げたり、頭や腕など体の重さを使って体重移動したり、そして全くのオフバランスで身体をコントロールしたりするためにはどんなトレーニングが必要なんでしょう。

身体を自由に動かすためには、まず余分な力を抜いて、普段意識していない、身体の様々な筋肉や関節のひとつひとつと対話することが必要になります。実はそれを体得すると、バレエにとっても、ものすごくいい事が起こるんです。ピルエットの練習している時を思い出してください。「腕を下げないで!」と同時に「肩を上げない!」と注意されていませんか?そう、腕は肩の筋肉ではなくて、背中の筋肉で支えれば、肩が上がることはないんですね。肩や首はリラックスした状態でこそ、美しいピルエットが回れることは、皆さんもうご存知だと思います。

世界で有名なバレエダンサーが白鳥を踊る時の背中の筋肉や、翼を表現する肩から腕、指先までの関節の動きに思わずうっとり見とれたことはありませんか?かのロイヤル・バレエ団プリンシパルのスティーヴン・マクレイ氏が、とある講習会で生徒たちに「ウェイン・マクレガー(ロイヤル・バレエ団レジデント振付家)のコンテンポラリー・ダンス作品では非常に難しい動きが要求されるけれど、身体中の関節をバラバラに動かすことを学び、自分のバレエにおける身体表現の幅も広がったと思う。」と仰っていたことがありました。

さあ、普段のバレエのお稽古では、決して注意する事のない腕や指先、そして背中の関節も、コンテンポラリー・ダンスを通じて今まで経験したことのない動かし方をしてみることで、目を覚ましてあげてくださいね!

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さて、現役イギリス・バレエ留学生たちは、現地でどんな時にコンテンポラリー・ダンスが必要だと感じているんでしょう?

 

問)留学してから感じたコンテンポラリー・ダンスの必要性とその理由を教えてください。

*私はコンテンポラリー・ダンスはバレエに不可欠だと思います。クラスは床のエクササイズから始まってセンターに移るのですが、特に床で身体を最大まで伸ばしたり縮ませたりする動きは身体を動かせる範囲を広げることができ、それはバレエにおいて柔らかい動きや動きの流暢さに繋がるなと実感しています。コンテンポラリー・ダンスを始めたことでバレエのテクニックや芸術的な面が改善、進歩しました。(1年生)

*学校ではバレエの振付けのクラスがありますが、その時もコンテンポラリーの要素を使って振り付けることが多いので、コンテンポラリー必要だな…と思いました。(1年生)

*まず第一に、これまでの留学の経験から私が思うのは、コンテンポラリーに限らず、身の回りで起こること、習うことのすべてが、ダンサーとしての自分を成長させるチャンスを秘めているということです。コンテンポラリーはクラシックバレエとは異なる種類のダンスですが、コンテンポラリーで掴んだ感覚や先生のアドバイスの一言で気づかされたことが、バレエの技術向上、表現の幅を深めることの鍵になった、という経験が何度もあります。

また、卒業を前にヨーロッパの色々なカンパニーでオーディションを経験し、そこでたくさんの人と出会い、わかったことは、もしも海外での就職を目指すのならば、クラシックバレエだけでなく、コンテンポラリーを含む他のダンスができるということは大きな強みになり、それだけ就職の幅と可能性を広げることにもつながる、ということです。

最後にもう一つ、私がコンテンポラリーを含む他のダンスを習えてよかったと思えるのは、バレエ以外のダンスの中に新しい自分がいることを発見できたことです。私はバレエでは、他の人と比べて特別に回れるわけでもなく、手足が長く甲があるわけでもなく、コンクールやバレエ団で活躍する同じ年代のバレエダンサーを見ているとため息が出てしまうことがよくあります。しかし、私は実はコンテンポラリーやジャズなどで生き生きと踊れること、また即興や振付で独創的な動きを生み出すのが得意ということを知って、自分の中にある、バレエの枠の中では発揮できなかっただろうダンサーとしての他の才能を見つけることができました。人はそれぞれ個人差があって、得意なこと不得意なことがありますが、バレエ以外のダンスにも挑戦してみることで、もっもっと魅力的で個性的なダンサーを目指すことができるのだと思います。(3年生)

*海外に留学すると、自分の意見を求められることがたくさんあります。私はコンテンポラリー・ダンスの授業を通して、自分で考えて踊るということを意識するようになりました。そうでないと、身体が思うように動かないからです。当たり前の事に聞こえますが、バレエ教室では教えていただくばかりで、自分で考えて踊るということをしてきませんでした。ここでは授業中も積極的に意見や質問が求められます。自分の意見や考えを、どうしてそう思うのかという所まできちんと説明できるようになったのは、コンテの授業があったからだと思います。今では授業中だけでなく、グループで創作する時や、他の人に振付する時も、役に立っています。(2年生)

 

なかなか読み応えのある回答でしたね。サポートしてきた私たちウェルズも、ぐっとこみあげるものがありました。新しい身体表現を学ぶ。思い切り自由に身体を動かしてみることで、必ず何か新しい発見があるはずです!

ザ・ウェルズでは、日本のバレエ学生さんも気軽に参加できるよう、この夏コンテンポラリー・ダンス講習会を開催しています。イギリスからそっくりそのまま「コンテンポラリー・ダンス・サマースクールin Tokyo」の詳細・お申込みはこちらから→http://thewells.co.jp/dance

 

 

去年のセントラル校日本講習会兼オーディションの様子です。(音付きでご覧ください)
すでに留学しているメンバーも、夏にロンドンで一緒に過ごしたみんなもいて、なんだか懐かしすぎます。

東京の学校説明会の時間には卒業生ゲストも参加してくださるかも!

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