【ロンドン公演レポ】バレエ・ボーイズ「Them/Us」(2019年3月9日サドラーズ・ウェルズ劇場)

久々のロンドン公演レポです。

今回は元ロイヤル・バレエ団プリンシパルの二人(マイケル・ナンとビリー・トレヴィット)の二人が2000年に創立したカンパニー「バレエ・ボーイズ」です。

最初は主宰の二人が出演し、アクラム・カーンやフォーサイスとの新しいダンスの創造に邁進していましたが、2010年、二人がダンサーとしてではなく、芸術監督として作品創りにフォーカスしてから、更にスピードを加速して発展してきています。

振付家には、リアム・スカーレットやラッセル・マリファント、クリストファー・ウィールドンら著名人が名を連ねていますが、思うに、彼ら振付家たちも、このバレエ・ボーイズではとても自由に、束縛なく、彼らの主張を表現しているようで、いつ観ても楽しいし、作品ひとつひとつがとても魅力的な個性に溢れています。
(詳しくはカンパニーのウェブサイトをご覧ください)

今回の「特別」は、
ザ・ウェルズのコンテンポラリーダンス講習会に2015年~2017年の3回にわたり、講師アシスタントとして来日してくれた、ジョーイ・バートンが、今年6月のランベール校卒業を目前に研修生として出演していたことです。

ロンドン・コンテンポラリー・ダンス・スクールに1年間通ったあと、ランベール校へ転校、3年間のBAコースを修了して、いよいよプロのダンス界へ登場です。

プログラムの真ん中には、しっかり「Apprentice for production: Joey Batron」

作品「Us」は2017年「FORTEENDAYS」という4人の振付家が2週間で作品を作り上げるというミッションに挑戦した公演の中の、たった8分間の男性によるパ・ド・ドゥでしたが、そこでクリストファー・ウィールドンが見せた、他を寄せ付けない才能は感動的ですらありました。

今回、それを入念に磨きをかけて、4人の群舞とソロ部分を加えて30分の作品に改訂したものでしたが、やはり前回同様、胸が熱くなる美しい作品でした。

PDDだけでも、十分に感動的なのですが、更にふたりがそこに至る道筋を想像させてもらいました。

Ballet Boyz “Us”(クリストファー・ウィールドン振付)左から3人目がジョーイ

もうひとつの「Them」は、「Us」に呼応するようにダンサーたちが自ら創作した作品。ジャージの上下に身を包み、大きな四角い箱のフレームを操りながら、時にアスレチックに、時に主張を加えて、彼らの人間同士、また社会との関係性を踊りにしていました。アブストラクトですが、形だけにとらわれない物語が見えてきます。

Ballet Boyz「Them」左から3人目がジョーイ

ウィールドンはプロの振付家ですから、それにダンサーたちの創作をくっつけてくるあたり、マイケルとビリーの飽くなき挑戦と、ダンスへの愛を感じます。

バレエ・ボーイズのダンサー達の身体能力を踊りに昇華させる才能は、とにかく一見の価値あり。なかなか日本への招聘公演は実現しませんが、来たら毎日通うこと間違いなし。

何はともあれ、Congratulations, Joye boy!ということで。
万歳。