ロンドン公演レポ
2018年4月29日(日)@オペラハウス(マンチェスター)
イングリッシュ・ナショナル・バレエ・スクール(ENBS)の2年生の出演による、ENB2の舞台を観に、マンチェスターへやってきました。
The Wellsのサポート生Saraさんの応援です!
ENB2は、正式なイングリッシュ・ナショナル・バレエ団の公演のひとつ。
マイ・ファーストバレエと銘打って、
毎年3月から5月にかけて、
イギリス中の子どもたちにバレエの楽しさを伝えるための
ツアー公演を行っています。
ダンサーは全てENBSの生徒ですが、
舞台演出や構成、照明、衣装、
舞台セット、ステージマネジャーに至るまで、
イングリッシュ・ナショナル・バレエ団が行うプロの公演。
ダンサーには出演料も支払われます!
子どもたち用に短縮された全幕のバレエを、
ストーリーテラーが朗読して舞台が進みます。
当然、古典作品の定番が多く取り上げられるのですが、
ENBSの生徒が踊るハイライト部分は古典の振付そのままなので、
とても見応えがあります。
昨年は「シンデレラ」
そして今年は「白鳥の湖」
お話は子どもたちに分かりやすいように
プロのストーリーテラーが舞台上で語りながら進みます。
ENB2版の「白鳥の湖」に登場する
オデットとオディールは幼馴染の大親友という設定。
オディールの兄で所有欲の強いロットバルトが
魔法を使って愛するオデットを白鳥に変えてしまう
という設定です。
2幕のオディールは
オデットが白鳥に変えられていると知らずに
兄に騙されてジークフリート王子を誘惑する役柄
自分がやったことに驚き、
王子、オデットと一緒に
兄に立ち向かい、
最後には「愛」と「友情」が
ロットバルトの所業を諫め
魔法が解かれる
という物語なんです。
なんて素敵なお話でしょう!
チュチュを着たり
大きなリボンを付けたり
思い切りおしゃれした子どもたちの
キラキラした目や
フェッテに挑む未来のバレリーナたちに
出演しているThe Wellsサポート生のお母さまと一緒に
ほっこり心が温かくなった日曜日の遠征でした。
今年のENB2には
4つのキャストがあります。
ソロを踊っていても
翌日にはコールド
いつもソロを踊ってきたダンサーにとって
限られたリハーサル時間で
コールドに揃えるのは至難の技ですが、
それでも、みんな卒業して
カンパニーに入れば、
先ずはコールドから。
実はこれ、プロになる前のとても大切なトレーニングなのです。
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それにしても、こういう草の根的な活動って、
要するにバレエ人口を増やすことにもつながりますよね。
あ、ここで言うバレエ人口っていうのは、
バレエを習っている人だけではなくて、
バレエを観に行く人や
バレエをサポートしてくれる人です。
イギリスを含め、ヨーロッパでは、
デートや記念日に男女でオペラハウスに行って
バレエを観る人がたくさんいます。
日本のお父さんたちも
最初は可愛い息子や娘にせがまれて、
バレエを観に行ったら、
次はぜひ奥様を誘って
新国立劇場などで大人向けの作品をご覧になっていただきたい。
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折しもその日はサッカー・プレミアリーグの試合があり、
地元「マンチェスター・ユナイテッド(マンU)」VS
ロンドンから遠征してくる宿敵「アーセナル」との対決の日でした。
スタジアムがオペラハウスとは逆の方向にあるので、
子どもたちの中には、
サッカーに行く子と
バレエに行く子が交差する
という面白い光景が見られました。
お父さんたちは、、、、
ああ、やっぱりサッカーなんだなあ。
(レゲット)