英国ロイヤル・バレエ・スクールが創立100周年イヤーということで、お祝いが続いています。
学校のロゴも、100周年バージョンになっていますね。
2026年12月には、短期集中講習・才能発掘部門責任者のポール・ケイ氏が来日して、日本オーディション、日本インテンシヴも開催が決まっています。
そんなロイヤル・バレエ・スクールの一番ホットな情報がガーディアンのKeiraさんから届きました。

奥にいたバレエスクールの皆さんが会場の温かい拍手に包まれた瞬間です。
秋も深まり、日に日に夜が長くなり、肌寒い日も増えてきたイギリスです。
ハロウィンのディスプレイも見かけるようになり、さらに飛び越えて、
クリスマスのデコレーションも出回ってきています。
にわかに年末感が迫ってきた今日この頃ですが、
今年、2026年は、ロイヤル・バレエ・スクールにとって非常に大きな節目の年、
創立100周年です。
まだ記憶に新しい7月のサマーパフォーマンスや、
新学期に入ってからのホワイトロッジ(ロウワースクール)のペアレンツデーなど、
今年ならではの”特別感”満載のイベントが盛りだくさんのカレンダーになっています。
そのような中、10月8日(夜)、10月10日(昼・夜)の、合計3回にわたって
ロイヤル・バレエ・スクール100周年記念公演『A Centenary Celebration』が
ロイヤル・オペラ・ハウスで開催されました。
これこそが、2026年の祝賀のハイライトであったと思います!!

こちらの公演は、100周年の記念に、
ロイヤル・バレエ・スクールの全生徒が登場するというだけでなく、
そこに世界最高峰の2つのカンパニーである
ロイヤル・バレエ団とバーミンガム・ロイヤル・バレエ団のトップダンサーたちが
スクールの「卒業生」として集結した、夢のようなガラ公演でした。
次から次へと惜しげもなく素晴らしい作品が披露される、
贅沢極まりないひとときでした。
発表された12の作品は全て、スクールにゆかりのある
若手から創設者にさかのぼるまでの、歴代の振付家によるもので構成されており、
各作品の幕が上がる前には、担当した振付家やダンサーからの、
思い思いのメッセージがスクリーンに大きく映し出されていました。
スクールに対しての感謝のメッセージや、
創設者ニネット・ド・ヴァロワ(Ninette de Valois)との思い出のコメントなど、
その内容は様々でした。
今回の公演で、特に私が楽しみにしていたものは、
最後の演目である『Centenary(100周年)』でした。

これは、スクールの生徒たちが若い学年(Year 8)から順々に流れるように舞台に登場し、その後、バーミンガム・ロイヤル・バレエ団、
そしてロイヤル・バレエ団へと、踊りのバトンが繋がれていく新作デフィレです。
最後はダンサー全員(……全員です!!総勢320人ほどだったそうです)で
華々しく踊って舞台を締めくくるという、まさに驚嘆の演出です。
(※因みにこれを振付したのは、ロイヤル・バレエ団の現役ダンサーである、
Valentino Zucchetti / ヴァレンティノ・ズケッティです。
彼は今月で退団し、振付家およびプロデューサーとしてのキャリアに専念する
ということです。)
この作品、舞台のライティングが印象的なオープニングでした。
まず、Year 8の男女のペアが白のスポットライトに浮かび上がります。
そのスポットライトは舞台奥に向かって、すうっと一本道を描いて伸びていき、
彼らの影も優美に伸びていきます。
光のゆく先には、まるで子どもたちの将来を象徴するような
美しいプリンシパルペアがいて、道はそこに繋がっているのです。
舞台を観に来た多くの保護者の方々は、きっとこのオープニングシーンに
わが子への夢を乗せ、目を潤ませていたに違いありません。
100周年という節目に居合わせ、この時にしか味わうことのできない感動を
ステージで仲間たちと分かち合うことができた生徒の皆さんは、
本当に幸せ者だなぁ、と思いました。
私も、この素晴らしい学校が迎えた大きな節目を客席から見守ることができて、
本当に幸せな気持ちになりました。
ロイヤル・バレエ・スクールで学ぶ生徒の皆さん、
この長い道のりを、これからも着実に歩んでいってほしいです!

挨拶をするValentino Zucchetti / ヴァレンティノ・ズケッティの後ろ姿。
少し長くなりますが、上演された作品について記しておきます。
演目は全部で12あり、休憩が2回の3部構成でした。
★第1部:
- 『チェックメイト』(Checkmate Suite)
• 振付: ニネット・ド・ヴァロワ
• 出演: ロイヤル・バレエ団、ロイヤル・バレエ・スクール(アッパー生) - 『バースデー・オファリング』(Birthday Offering)
• 振付: フレデリック・アシュトン
• 出演: ロイヤル・バレエ団、バーミンガム・ロイヤル・バレエ団
第1部では、まさにロイヤルがこれからも守っていきたい、
時を経ても変わらない美しい伝統を感じることができました。
私がいたバルコニー階はストール席より上の階にあるため、
『チェックメイト』では舞台に映し出されたチェス盤の模様がよく見えました。
ダンサーたちがその模様を活かして動いていることが分かり、
上の階ならではの良さを実感しました。
アッパー生のみなさんの統制の取れた見事な動き、
そしてマヤラ・マグリさんの堂々とした「剣の舞」が個人的にとても印象に残っています。
続く『バースデー・オファリング』では、
黒地に鮮やかな色とりどりの差し色を付けた衣装をまとった
6組のプリンシパルペアが登場。
中央には、マリアネラ・ニュネス、パトリシオ・レヴェのペアが、
鮮やかなレモンイエローの衣装で登場しました。
高田茜さんと栗原ゆうさんの姿もあり、彼女たちの美しい所作に魅了されました。
また、男性陣のアクリ瑠嘉さんや伊藤陸久さんも堂々たる踊りを見せてくれました。
バレエ生の皆さんは忙しいリハーサルの合間に、
ひょっとして舞台袖で見守る機会に恵まれたのではないかと思います。
さぞかし大きな刺激になったことでしょう。
★第2部:
- 『Beautiful Shadow』(世界初演)
• 振付: クリストファー・ウィールドン
• 出演: ローレン・カスバートソン、ルーカス・B・ブレンツロド(RB) - 『Night Falling』(世界初演)
• 振付: キャシー・マーストン
• 出演: マシュー・ボール、ウィリアム・ブレイスウェル(RB) - 『冬の日の夢』(Winter Dreams)パ・ド・ドゥ
• 振付: ケネス・マクミラン
• 出演: ヤオチェン・シャン、マティアス・ディンマン(BRB) - 『Nimbus』
• 振付: ウェイン・マクレガー
• 出演: ロイヤル・バレエ団、バーミンガム・ロイヤル・バレエ団 - 『Unforgettable』
• 振付: ジョシュア・ユンカー
• 出演: ロイヤル・バレエ団
第2部は、ロイヤルが模索し続けている、新たな方向性を提示されたような気がしました。
世界初演(World Premiere)の2作品からは、
それぞれ研ぎ澄まされた世界観が伝わってきました。
『Nimbus』と『Unforgettable』は、いずれもエネルギーと若さ、そして自由に満ちた
素晴らしい舞台でした。
水谷実喜さん、前田紗江さん、中尾太亮さんの活躍を客席から見守ることができ、
とてもワクワクしました。
★第3部:
- 『ペンギン・カフェ』(”Still Life” at the Penguin Café)より
「南アフリカのクアッガ(ゼブラ)」
• 振付: デヴィッド・ビントレー
• 出演: バーミンガム・ロイヤル・バレエ団 - 『Danse Russe』(マクレー/ヴァシリエフ・プロジェクトより)
• 振付: ラフラン・プライアー
• 出演: サラ・ラム、スティーヴン・マクレー - 『マノン』(Manon)第1幕 ベッドルームのパ・ド・ドゥ
• 振付: ケネス・マクミラン
• 出演: フランチェスカ・ヘイワード、マルセリーノ・サンベ - 『白鳥の湖』(Swan Lake)第3幕 パ・ド・ドゥ
• 振付: モーリス・ペティパ / リアム・スカーレット版
• 出演: 金子扶生、ワディム・ムンタギロフ - 『Centenary』(世界初演)
• 振付: ヴァレンティノ・ズケッティ
• 出演: ロイヤル・バレエ団、バーミンガム・ロイヤル・バレエ団
、ロイヤル・バレエ・スクール
第3部は、いずれの演目も、超一流の技術、表現力、そして独自の世界観をもった
作品揃いで、観客がその世界に呑み込まれるような舞台となっていました。
ビントレー氏振付の、象徴的なシマウマが出てくる『ペンギン・カフェ』は、
軽やかで軽妙な雰囲気ながらも、実は環境問題について問いかける作品です。
この作品には杉浦優妃さんがご出演されていました。
また、怪我を乗り越え、まるで不死鳥のように帰ってきたスティーヴン・マクレーは、
サラ・ラムと『Danse Russe』を熱演。
続く『マノン』のフランチェスカ・ヘイワード、マルセリーノ・サンベのペア、
『白鳥の湖』金子扶生、ワディム・ムンタギロフのペアも、
大変息の合った、迫真の演技でした。
ここで私が言葉を尽くさずとも、その素晴らしさと私の感動の深さを
分かっていただけるのではないかと思います。
会場はもちろん、割れんばかりの拍手喝采に包まれていました。
そして最後は、冒頭に記した通り、圧巻の『Centenary』で締めくくられました。

私はガーディアンとして、これまでサポート生たちを英国の母のような
気持ちで見つめてきましたが、
真の「英国バレエの母」は、ロイヤル・バレエ・スクール創設者である
デイム・ニネット・ド・ヴァロワ(敬愛を込めてマダムと呼ばれています)です。
(比べておこがましい(笑))
彼女が前身となる学校を1926年に創立してから、ちょうど100年。
激動の戦争を乗り越え、強い信念で学校や団員を守り抜き、活躍の場を築いてきた彼女は、現在のロイヤル・バレエ団やバーミンガム・ロイヤル・バレエ団の基礎を創り上げ、今なお、世界中から喝采を浴びる存在です。
彼女の投じた一石は、波紋のように広がり人の心を動かし、
世代を超えて、関わる一人ひとりの胸の中で、今も脈々と息づいている。
そんな歴史の重みと繋がりに、深く感じ入った夜となりました。
この貴重な機会に恵まれたバレエ生の皆さん、
この経験を活かして益々ご活躍ください!
心から応援しています。
(Keira)
ありがとうございました。
100年の歴史が織りなす道を目の当たりにできる素晴らしい夜だったようですね。
英国バレエを日本にご紹介している私たちにとっても感慨深いものとなりました。
一人でも多くの方に、ぜひ英国のバレエを体験をしていただきたいと思います。


ロイヤル・バレエ・スクール ジャパン・インテンシヴ 2026年12月18日~20日
ご自身で出願の自信がない方へは The Wellsの出願サポートもご用意しています
ジャパン・インテンシブ・出願サポート(10歳~19歳)


