コンテンポラリー・ダンス・サマースクール2016報告(その1)!


“音楽の力”を実感した3日間コース

今年のThe Wells コンテンポラリー・ダンス講習会は、リー・スマイクルがロンドンで開催するSYD Spirit Workshopとのコラボレーションにバレエクラスを加えた3日間で開催されました。

初日、元マシュー・ボーンのダンサー、ダミアン・スタークのうっとりするほど長い四肢に見とれながら、バレエクラスが始まりました。

そしてその美し過ぎるダミアンにも増して、みんながまず度肝を抜かれたのが、サビオ・ヤニャックの音楽です。
キーボードやマイク、笛や太鼓の数々は、長旅のために厳選された楽器たちです。
自身の声も美しい歌やボイスパーカッションとなり、5つのループを持つルーパー(録音した音楽をループさせるエフェクター)駆使して、音が幾重にも重なったサビオ・ワールドを展開していきます(もちろんスタジオ備品のグランドピアノも大活躍です)。

パーカッションでバレエ?と思われるかもしれませんが、ベースのカウントがあって、意外に踊りやすく、バーでさえ直ぐにコールドバレエの美しさが見られたことは、いつもバレエ講習会を開催しているウェルズにとっても驚きでした。
聞き慣れない音楽だからこそ、皆さん必死に音楽を聞いていたのかもしれません。

ダミアンのレッスンも音楽に合わせて情熱的に進んで行きます。
優雅なだけになりがちなバレエに大切なパワーや力強さは、内面からにじみ出てくるもので、なかなか言葉では指導しにくいものです。

サビオの音楽とその魅力を十二分にダンサーたちに伝えるダミアンのレッスンは、ダンサーたちの身体に自信を与え、3日目には驚くほど、ひとりずつの存在感溢れるバレエレッスンに変貌していました。

リー・スマイクルによるコンテンポラリー・テクニックのレッスンは、カニンガムをベースとしているものの、スマイクル流に淘汰され、初心者から上級者までミックスされたあらゆる状況でも、バラエティ豊かに展開していきます.

今回は特に彼が熱望したサビオ・ヤニャックが同行。
盛り上がらないわけがありません。

ロールやティルト、フロアーワークといったテクニックから、自分の体重や頭の重さを使って自然に動き、重心を下にキープするコンテンポラリー・ダンスの基本を学びました。

アンケートでは思ったより難しかったという回答が多く寄せられましたが、皆さんとても楽しそうに、音楽に乗せて自然に身体を動かしていらっしゃったのが印象的でした。

午後のクリエイティヴ・セッションでは、タスクに合わせていくつものフラグメント(小さな動き)を自分で創り出した2日間、そしてそれらをリーが組み立てて行く手法を用いて、3日目の最後には10分間の作品を完成

それぞれの個性を輝かせ、そして同時に周りとの関わりから生まれる偶然や必然、そんな動きの数々から、ひとつの大きな作品を作り上げる楽しさを実感できたことでしょう。

身体中を駆け巡るパッションを美しく完成されたラインの中に封じ込めつつ表現するバレエの強さと、コントロールされた身体からそのパッションを放出させるコンテンポラリー・ダンスの多様性。双方を同時に学んだことが、これからの皆さんのダンス人生の方向を示す小さなきっかけとなってくれたらいいなと思います。

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